2015年12月28日月曜日

「コンビは二枚貝」キングオブコメディ高橋の「貝という名のもとに」より

以前小説「火花」の感想文で、ちょこっと私のコンビ萌え体質についてお話をしました。
その中で少し触れていたキングオブコメディの高橋健一氏(私の中では「パーケン」呼びが定着しているので以降「パーケン」)が26日に逮捕されたことはみなさんご存知かと思います。


最初にニュースを知った瞬間は耳を疑いました。
以前にも一度痴漢冤罪で逮捕されているので、「もしかしたらまた何かに巻き込まれたのかもしれない」「借金返済のための転売目的による窃盗では」などと、胸騒ぎは収まらないけれども、藁にもすがる思いで続報が出てくるのを待ちました。
ところがその後、窃盗年数と件数、そして動機の供述を知って呆然となり、「ではあの時の冤罪も…」と思わずにはいられませんでした。

明けて27日になっても、まだ頭の中はパーケンのことでいっぱいでした。
数奇な家庭環境、食に対する狂気じみた執着(ニコニコキングオブコメディ「うでし!駄菓子!大好き!より)、常軌を逸した意地汚いエピソード(人力舎、エレ片等の芸人談)、ももクロファンなのに本人たちに会う機会を無下に断る純粋なファン心理を通り越した狂気じみた何か、異性に対する異常なまでの卑屈さ、狂気スレスレのコント設定、などなど。
そんな狂気スレスレの人間性が彼の魅力でもあったわけですが、スレスレどころか実は狂気の向こう側にいたという衝撃の事実には、ただただ戦慄するのみです。
そして冤罪事件直後の相方今野さんのピン活動の様子なんかも思い返し、あのときより更に過酷な悪夢の時が再びやってくるのかと思うと、悲しみでいっぱいになりました。

私自身、今までの人生において性的な意味の危険な目に遭ったことは数度ほどありますが、物を盗られた経験はないので、20年にわたる事件の被害者たちに対してどこまで心理的に寄り添えるのか自信はありませんが、窃盗を犯したことに関しては「治るまでシャバに出てくるな」と思いますし、同様の意見の方が多いと思います。
決して裕福な家の出ではないので被害額の大きさにも同情を禁じえませんが、金銭的な問題以前に、何か得体のしれない者に自分の持ち物を、しかも性欲がらみで盗られるのは女性にとっては恐怖でしかなく、己の性的欲求のために他人のものを盗むのは非常に卑劣な犯罪で、たとえファンであっても擁護のしようがありません。
ただ、今までテレビやニコニコ動画などで見てきた、あのキングオブコメディのパーケンと、20年来の窃盗歴でゴミ袋70袋分の600着の制服を盗んでいた犯罪者、高橋健一容疑者が、どうしても頭の中で結びつかないのです。
「軽トラが防犯カメラに写っていた」と言われれば「たぶんお父さんのだな」というのがわかるほどに彼の愛車についての情報も把握しているし、出頭時に着ていたコートが数々のコントで着用していた衣装の私服だともわかったし、画面の中でうなだれているのは卑屈の塊丸出しなあのパーケンに違いない、そこまでわかっているというのに、やっぱり高橋健一容疑者と私の中でのパーケンはいまだに全く一致しないのです。

Twitterを検索してみて多くのファンが口にしていたのは
【「キンコメ高橋」じゃなく「パーケン」と検索すれば、彼に対する心無いコメントを読まずに、同じように傷ついた人と悲しみをわかちあえる】
ということでした。
悲しみを一人で抱え込むことのできなかった人の心を癒やすことができるのは、同じように傷ついた人の言葉しか今は無いのかもしれない。
そんなふうに思います。
あとファンのあいだでは「パーロス」「パーケンロス」がブームのようで、私もそのうちの一人です。
「ましゃロス」のときは冷めた態度をとってすまん、そんな気持ちで今はいっぱいです。
ましゃさんと違ってロスの原因が結婚じゃくて逮捕なのが残念すぎますけどね。

ここ数日同業の芸人さんたちのTwitterを見ると、発信が非常に減っているのが印象的ですが、そんな中「バカかよ」「このタコ」「何やってんだよ」「びっくりした」「信じられない」という少ない言葉の発信の中にある彼らの心情を想像することで、私は少しだけ癒やさたような気がします。
某大学教授が手鏡事件で逮捕されたときの室井佑月さんの発言(私のパンツならいくらでも見せたのに)を彷彿とさせる、小明さんの「私でよければいくらでも制服着たのに」というTweetにも思わずなごんでしまいました。

相方への気遣いを口にされたさまぁ~ず三村さんや極楽とんぼ加藤さんの言葉はとくに心に響きましたが、一番印象に残っているのは品川庄司・庄司さんの「2人そろってコンビですからね」という、短いながらも非常に重みのある一言でした。

キングオブコメディ高橋健一の逮捕 庄司智春が神妙な面持ちでコメント - ライブドアニュース

このニュース、最初は「品川はこういうところがあるから嫌われるんだよ!」とヤフコメのトップコメントと同様に憤りを感じましたが(いつもは「ヤフコメしょーもな!」と思ってますウフフw)前述の庄司さんの言葉とともに、のちにネタにしたことを後悔したという品川さんのコメントを読んで(庄司さんという人のいい相方が離れずに支えているのもあり)品川さんという人は世間が言うほど悪い人ではないのかもしれない、と思えるようになりました。

「コンビとは二枚貝のようなもの」

奇しくもこれは貝大好き芸人パーケン自身の言葉なのですが、庄司さんがおっしゃるように、コンビというのは本当にかけがえない存在なのだと思います。
「お前(パーケン)が言うな!」という状況ではありますが、該当の記事「貝という名のもとに」から大事な部分を引用しておこうと思います。

高橋健一(以下、高橋) 最近、こいつは役者にかぶれて。「クソ町ロケット」とかいうドラマに出やがって。なんだっけ? クソ井戸先生?

今野浩喜(以下、今野) おまえ……(笑)。あと「愛を語れば変態ですか」という映画にも出させていただいてます。僕はそういう活動をしていますね。

高橋 僕は、そういう活動を知ってますね。

今野 それをけなす活動をしてるんだろ?

高橋 ライブで、相方が「クソ町ロケット」に出てるっていうと、すげえウケる。僕のかわいそさが出るんでしょうね、なんでそんなひどいこと言うのかって弁解する必要がない。あ、ほんとは「下町ロケット」っていうドラマなんですよ。原作が池井戸潤さんね。

今野 知ってるよ! みんなだいぶ知ってると思うよ。


貝の連載を始めるのが不安だから相方呼んで「下町ロケット」にあやかろうと思う|キングオブコメディ高橋の「貝という名のもとに」|高橋健一|cakes(ケイクス)

ね。パーケンて卑屈でしょ?
でもそこが彼の味なんですよね。

今野 (略)つか、なんでこんな貝殻持ってんだおまえ。

高橋 だって(二枚にわかれた北寄貝をカチっと合わせて)ほら、ピッタリ合うじゃん、ほら! ほら!!

今野 何が?

高橋 貝って、もともとひとつだった同士じゃないとピッタリ合わないんだよ。

今野 へえ。

高橋 夫婦の絆の例えとして使ったりする。

今野 ふーん。

高橋 だから、コンビだって同じだよ。

今野 無理やり繋げなくていいんだよ。

高橋 (合わせた北寄貝をもういちど離して)こういうふうに、こっちだけ「下町ロケット」出ちゃいけないんだよ(笑)。片方がいないのはダメなんだから。 
 


遂に暴走する貝の話「これは、潮干狩りをする時に貝を入れるものです」|キングオブコメディ高橋の「貝という名のもとに」|高橋健一|cakes(ケイクス)

なんでも拾う癖、とっておく癖、捨てられない癖、ニコキンのトークでもこのへんの癖は漂わせていましたね。
今となっては制服をあれだけの数ため込んでいたのも…と思ってしまいます。

コンビは貝のように二枚合わせて成立するものだと言いつつも、その片割れである今野さんを裏切り続けた代償はあまりにも大きいわけで、こうなることがわかっていながらも止めるのができなかった彼の心の闇の深さを感じずにはいられません。

この連載、残念ながら続きはありませんが、他の部分も面白いのでファンの方は必読だと思います。
削除される前にぜひ。

今はただ、今野さんには芸能活動を続けていってほしい、そう願ってやみません。
でも当分は「パーケン」という芸人がいたということを忘れる日はないでしょうし、高橋健一氏が罪を償って、芸人パーケンとして戻ってくる日のことを考えずにはおれないのです。


(追記)
昨日電車で移動中に最近のお気に入りリストを再生していたら、ビートたけしの浅草キッド(曲)が流れてきたので、すぐさま止めました。
今聴いたら何かが決壊しそうなので、当分は封印しようと思います。

今夜は「伊集院光 深夜の馬鹿力」を聴いて、傷を舐めようと思います。

(追記の追記)
馬鹿力、冒頭の「今週気づいたこと」で触れず、電気グルーヴの「N.O.2016」を流したあとに触れていました。
「伊集院光のてれび」最終回終了後だからか、後輩たちが大挙してブースのむこうで見守っているという状況の中で、真剣な、茶化し一切なしのこわばったトーンで、以前冤罪事件の折に「自分には人を見る目がある」と見栄を切ったことを「みっともない」と反省し、また「高橋君がそんなことをやる人間には思えない」という自分の発言によって傷つけてしまった誰かに対し、いつかそれを許してもらえるようなラジオがしたい、と話されていました。
いつもの、あの伊集院さんじゃないこわばったトーンに、あらためて彼がしでかしたことの重大さと罪深さをひしひしと感じ、今日この時間まで無事だった私のダムが決壊しました。
「N.O.2016」がこのトークのあとに流れていたら、ダムはもっと大変なことになっていたと思います。
でもCMが開けたらいきなりいつものトーンで、大沢悠里さんと自分の椅子の格差に毒づいていたので、そのギャップに救われましたねw


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(ファンの方のブログ)

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