2013年11月11日月曜日

幻の洋梨ドゥワイエンヌ・デュ・コミス、我が家へ

夢にまで見たドゥワイエンヌ・デュ・コミス、我が手にライドン


幻の洋梨との呼び声も高い「ドゥワイエンヌ・デュ・コミス」をご存知だろうか。

ドゥワイエンヌ・デュ・コミス
別名「ドゥイエンヌ・デュ・コミス」
またの名を「ドゥワインヌ・デュ・コミス」
もしくは「ワイエンヌ・デュ・コミス」
そうかと思えば「ワイエネ・デュ・コミス」
ところがどっこい「ワイエネ・デュ・コミス」
大胆にも「ドゥ・コミス」、大雑把に「デュ・コミス」などと短縮形で言う人もいる。
コミス吉祥寺。それは「コピス」の間違い。
パリス吉祥寺・荻窪店。パリなのか吉祥寺なのか荻窪なのか。一体それはどこにあるんだ?
ラフォーレ原宿 小倉店(福岡県)。もうそんな店はないぞ!

兎も角、どれに統一すべきか悩むので、以下は「コミス」とだけ書く。

今年の群馬のコミスは史上最高、とのこと。
一応リンクをはったが売り切れである…


コミスとは洋なしの一種である。
その昔「天皇の料理番」というタイトルの堺正章主演のドラマがあったが、主人公その人のモデルとなった宮内省(昭和24年より宮内庁)大膳職主厨長・秋山徳蔵氏をして、

「あれこそが果物の王」
「かす一つ残さず、アイスクリームのように溶けてしまう」
「四十年たった今でも、まだあの味が舌に残っている」

とまで言わしめた幻の洋梨、それが「コミス」なのだ。

私がコミスを知ったきっかけは、いつも愛聴している954ことTBSラジオの人気番組「安住紳一郎の日曜天国」でのことだった。

安住紳一郎の日曜天国 Podcast(TBS RADIO 954kHz)
2013.10.27「幻の洋梨『コミス』」より。

妙義山に向かう高速道路の道中で聞いていたラジオでは、安住アナウンス部次長が呪文のようなそのプレゼントの名前を連呼していた。
難解な名称を正確に聞き取って、ちゃんと正解しないとプレゼント応募の資格が得られない、ハードルの高いヒアリングプレゼントクイズだったのだ。

でゅわいえんぬこみす?どわいえんぬこみす?
安住次長は20回ぐらいは連呼していただろうか。
私が導き出した答えは「ドゥワイエンヌ・デュ・コミス」。
だが正解は「ドゥアイエンヌ・デュ・コミス」だった。
惜しい!一字違い!
ちなみに日曜天国公式Twitterの安住次長談によれば正解率は5%(その後応募者1717人中50人が正解と判明)を切り、苦情殺到だったとか。

フランス語で「Doyenné du Comice」
そのまま「幻の洋梨」という意味らしい。

私はコミスという名の世にも珍しい果実にうっすら興味が湧いてきていたが、道中すでに心は妙義山にあった。
だが安住次長から語られたコミスの産地を聞いてから、俄然コミスのことが頭から離れなくなってしまった。
どうやらその幻の洋梨は、我らが渋川市の見城さんという方が作っているとのこと。
育成の難しさからコミスの量産に成功した生産者は日本に十人もいないらしい。
その稀少な幻の逸品が、ここ群馬で作られているなんて!




最初に日曜天国で取り上げられたコミスは↑の信濃は倉田さん生産のコミスだった。
そこからいろいろあって今年は見城さんのコミスがプレゼントされることに。
そのあたりの経緯はにち10Podcastingなどで聴くことができる。
TBS RADIO 954 kHz > 安住紳一郎の日曜天国
興味を持たれた方はぜひ。


以上のようなことを考えながら登山したせいだろうか。
あの日の妙義山中では道を誤った。

誤った日の山レコ→ワイルド・サイドを歩け@妙義山
間違えずに歩けた日の山レコ→ 紅葉に映えよ!妙義山〜安心安全ハイキング


さて、妙義登山での「死んでたかもしれない!」という興奮も冷めやらぬまま、帰路についた私は家につくとさっそくインターネットに接続し「コミス」「幻の洋梨」「渋川 農園 洋梨」などのキーワードを検索窓に叩き込んだことは言うまでもない。
いや、本当のことを言うとその前に「かにのよこばい たてばり やばい 死ぬ」などのキーワード検索をするのが先だったが。

翌日会社で隣の席の渋川出身の同僚(母上が清芳亭の元従業員)に「見城さんのコミスって知ってますか?」と聞いたが芳しい答えは得られなかった。
別に答えを得られなくてもよかったのだが、最近配属替えで正面の席にやって来た、もう一人いる渋川出身(旧小野上村)の同僚にも話題をふってみたところ、驚きの答えが返ってきたのだった。

小野上出身Nさん「コミス、知ってます。すごく美味しいんです」
私「食べたことがあるんですか?すごい!!」
Nさん「見城さん、実は父のお友達なんです」
私・渋川出身Iさん「ななななな、なな、なんと!」

そんな話をした翌々日ぐらいだったろうか。
朝オフィスに入り自分の席まで行くと、椅子の上に目立たぬようひっそりと白い紙袋が置かれていた。
辺りにはほんのりと甘い香りが漂っていた。
恐る恐る中を覗くとそこには恋い焦がれた、あのコミスの姿があった。

おそらくNさんのお父上のご厚意により、通常は直売所などでしか手に入れられないらしいB品といわれるコミスを一つ分けていただける運びとなった。
自分の名誉のために言っておくと、決してねだったわけではない。
ただ、「すごいですね~」「うらやましすぎます!」「ぜひ私も見城さんとお近づきになりたい」などと羨み発言をしすぎた感は否めない。
ありがたく頂戴し、家の者には「コミス我が手に」というメールを送った。

夢にまで見たドゥワイエンヌ・デュ・コミス、我が手にライドン

夢にまで見たコミスを手に、はしゃいで一枚パチリ。

Nさんによれば、洋梨は買ってから数日〜1週間は家に置いて熟すのを待たないといけないが、このコミスはもうすでに食べ頃を迎えているとのこと。

さて、以下はコミスの食レポとなる。食レポは苦手だが、食べたことのない人の参考になればこれ幸い。



私のコミス評

黄色く薄い皮を剥くやいなや、甘く芳醇な香りが辺り一面に広がる。
剥いたそばからナイフをつたってとろみのある濃厚な果汁が滴り落ちてくる。
そのみずみずしさは和梨以上に思える。
滴り続ける果汁のせいで実がツルツルと皿の上をよくすべるので、一口大の一片めがけて大胆にフォークをぶっ刺す。
すると手には独特の弾力が返ってくる。
不思議な感触を楽しみながらも、ついにその幻を口に含む。
舌に乗せると重くずっしりとした密度を感じるのに、秋山徳蔵氏が評したとおりに、噛んだそばからまるでアイスのようにとけてなくなってしまう。
クリーミーな甘みとさわやかな酸味。
重量感があり、かつさわやかでなめらかな食感は今まで一度も味わったことがない、生まれて初めての感触だった。
それはまるで夢を見ているようだった。
一家で寄って集って食べたコミスはあっという間に消えてなくなってしまった。
コミス、君はいずこへ?
ああ、私の腹の中だ!!
コミス、カムバック!!!



↓2014年もちゃっかり食べちゃいました…↓
今年もドゥワイエンヌ・デュ・コミスがやってきた!

コミス情報リンク集

愛と追熟のコミス。コミスを美味しく食べるために。

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