2012年11月24日の中尊寺の紅葉
紅葉の絨毯
BRAVIA 4K対応液晶テレビのCM「薪能」でおなじみの能舞台
みちのく旅の始祖ともいえる奥の細道・松尾芭蕉の像
平泉に行くのは二度目になる。
昨年のちょうど今頃の時期に平泉在住の友人を訪ね、平泉・中尊寺・達谷窟(たっこくのいわや)・厳美渓(げんびけい)などの観光名所を案内してもらった。
今年の夏山秋山シーズンが終わり、日帰り低山登山ぐらいしかやることがなくなった季節が訪れ、ふと、
「そうだ、平泉へ行こう」
とまた思った。
今年は去年より一週間早い秋旅だ。
中尊寺の紅葉はちょうど見ごろを迎える。
期待は高まり胸躍った。
今年の平泉の旅路は、中尊寺〜幽玄洞・猊鼻渓〜気仙沼を巡った。
が、その前に昨年2012年11月24日、25日に巡った中尊寺、義経堂、毛越寺、達谷窟毘沙門堂、厳美渓の様子を話したい。
中尊寺最大の見所といえば、こちらの金色堂だろう。
平泉を案内した書籍(地元でのみ販売されている)に掲載されていたドナルド・キーン氏のコラムによれば、キーン氏が最初に平泉を訪れた昭和30年には金色堂の中に入ることができたとか。
現在では保守維持の関係で、金色堂は大きなガラスで覆われ、少し遠目にしかお目にかかることができない。
今年は旅程と友人のスケジュールから中尊寺には1時間半ほどしかいられなかったので、二度目の金色堂参拝は断念した。
去年の平泉土産。
義経堂(ぎけいどう)、毛越寺(もうつうじ)、中尊寺、平泉駅前の蕎麦屋「芭蕉館」などで買ったお土産たち。
お守り、衡年茶(こうねんちゃ)、浄土のめぐみ、そして地元でのみ入手可能な平泉を学ぶことができるムック本。そして芭蕉館でもらった世界遺産登録記念ボールペンなどだ。
とはいえ気仙沼のフカヒレスープ、大船渡の銘菓「かもめの玉子」の存在感の方が大きかった。
今年はいわて南牛やら焼き秋刀魚やら秋刀魚の刺し身やらホルモンやらわんこそばやらのご馳走に手持ちのお金を使い果たしてしまったので、お土産は巌手屋の南部煎餅のみとなった。
硬い!でも美味しい!噛めば噛むほどに乾燥ホタテから旨味がにじみ出る。
ただし歯ごたえがありすぎるので詰め物、入れ歯など歯に難のある年配の人はとくに注意してください。
そういえば今年も行った芭蕉館ではまたもや世界遺産登録記念ボールペン2013バージョンLEDライト付きをもらってしまった。
途中乗り換えの大宮で、さすがに南部煎餅だけでは申し訳なく思い始めたので、新幹線ホームの駅弁屋に寄って土産物を物色することにした。
母が大好きな横浜名物の崎陽軒のシウマイと、道中の小腹対策に仙台名物の一口牛たんサンドを、自販機では東北限定と銘打たれた山形の佐藤錦ジュースを買った。
大宮駅はなんでもあるな!と感動し、少しだけ哀しくもなった。
「浄土のめぐみ」には華鬘(けまん)が描かれている。
華鬘とは→中尊寺金色堂からやってきた華鬘(けまん)のしおり
パッケージはかわいいが、お茶は少し薬っぽくてクセがある。
ノーマルの衡年茶はしっかり蒸らして淹れるとカモミール(衡年茶の成分表記はカミツレ)の甘みが出て絶品の味になる。
この一年、中尊寺に直接注文して取り寄せて家で毎日のように飲んでいたが、一年ぶりに訪れた中尊寺内のカフェ「かんざん亭」で出してもらった衡年茶は、また格別の味がした。
気のせいだろうか。
かんざん亭の窓には手描きの山座同定。
浄土のめぐみ、衡年茶、ともに中尊寺でのみ取り扱っている商品だ。
衡年茶の成分によく似た「百年茶」はさまざまな場所でよく見かけるので手に入りやすいはずだ。
中尊寺・天台寺お茶セット|ほほえみ倶楽部 (浄土の恵み)
中尊寺の通信販売
義経の勝守りは義経堂で購入。
義経堂でしか買えない限定カラーは赤。
黒は毛越寺でも買えるのだが、断然黒の方がかっこいいので迷わずこちらを選択した。
夕暮れ時の毛越寺浄土庭園。昨年は発掘調査中だった。
今回は行くことができなかった達谷窟(たっこくのいわや)はお気に入りの場所だ。
境内の奥にある岩壁には、大きな仏の顔が刻まれている。
最近教えてもらった話なのだが、達谷窟(たっこくのいわや)当主の苗字は、同じく「達谷窟」さんというが、読み方は「たがや」らしい。
なんて難解で、なんてかっこいい苗字なのだろう。
友人は達谷窟さんとはお友だちらしい。
うらやましい。
そういえば、こんな厳かな空気の中、隣家から「天体観測」が流れてきたのがひどく印象に残っている。これもまた「旅情」の一種だと思う。
旅情といえば、今回の旅路で一番最初に旅情を感じた出来事は、仙台から古川に向かう新幹線内で起きた珍事だった。
金曜日の夜、仕事終わりにそのまま群馬から平泉に向かったので、おそらく夜19時〜20時台の時間帯だったと思う。
窓の外は真っ暗で、前の座席のおじさんが広げているスポーツ新聞が鏡状になった窓にはっきり映っているのが見えた。
何の気なしに見ていると、途中で女性の裸体がくっきりはっきりと窓ガラスに映しだされたのだ。
彼はスポーツ新聞の風俗面をどれぐらい眺めていただろう。
しばらくすると今度は大相撲ニュースの面を広げた(またもや裸体なのだが)。
本人は全く気がついていない様子だったので、それがたまらなくおかしかった。
「ああ、私は旅に出たのだなあ……」
ハプニングというにはあまりにも小さな出来事だったが、旅先ならではの珍事を私は楽しんだ。
みちのく、たびたび、一人旅。
この話、まだ続きます。
みちのく旅シリーズ
- 平泉2012 中尊寺の紅葉に間に合う
- 二度目の平泉で初いわて南牛、初わんこそば
- 三陸海の子弁当、南部せんべい、石っこ賢さん…岩手グルメに出会う旅
- 知らない街にひとりぼっち@気仙沼
- 中尊寺金色堂からやってきた華鬘(けまん)のしおり
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