2013年11月8日金曜日

紅葉に映えよ!妙義山〜安心安全ハイキング

紅葉に映える妙義山の奇岩群
奇勝・妙義山奇岩群と紅葉。
映える映えるとは聞いていたけれど、まさかここまで映えるとは…


2013年11月5日。
楓蔦黄(もみじつたきばむ)ころ。

前回途中でリタイアしてしまった妙義山へさっそくリベンジしてきた。

前回→ワイルド・サイドを歩け@妙義山

リベンジ。
とはいったものの、山頂の岩稜地帯の尾根道などではなく「関東ふれあいの道」と呼ばれる中間道を縦走しただけだ。
初心者にはハードな鎖場がある中級者コースや、岩稜の尾根道が続く上級者コースが妙義のワイルド・サイドならば、今回の中間道はマイルド・サイドだ。

妙義山の中間道は中之嶽神社(甘楽郡下仁田町)から登り、妙義神社(富岡市)まで片道約3時間強を縦走するコースで、逆ルートから登るハイカーも多く、狭い登山道ではよくすれ違う。
途中、上級コースの尾根道から下ってきたらしきヘルメットをかぶった変態ロッククライマーたちにもよく行き会った。
初心者登山客の自分からするとロッククライマーや雪山をやる人はマゾヒストの変態にしか見えない。
とはいえ私も変態道の入り口に足を踏み入れつつある山ウーマンではあるが。

午前11時半頃、中之嶽神社の大駐車場(無料)をお馴染みの同行者、父とともに出発。
父は中之嶽神社⇔大砲岩のピストンだ。
途中経過は前回とほぼ同じだが、沢で歩きにくかった場所は枯れていた。


見晴台からの「紅葉に映える妙義山」

見晴台から。
中之嶽側の見晴台に登るのはこれで二回目だ。
前回と比べると木々の紅や黄色は増したが、この日は晴れているものの霞がかかったような天気で、空は終始うすぼんやりとした水色だった。
見る風景すべてがフォギーなフィルターの向こう側にあるようで、少し残念な景色だ。

見晴の岩の上に立った瞬間、正午を知らせるサイレンかチャイムの音がどこかから聞こえてきた。
サイレンかチャイムか記憶が定かではないが、直後にはるか下から大勢の子どもたちの歓声が一斉に上がったのはよくおぼえている。
大きな休憩所のある第四石門が近づくにつれて、子どもたちの声はますます大きくなっていった。
紅葉した妙義山を見たいのはおじさんおばさん山ボーイ山ガールだけではないということだろう。
学校の遠足のようだから自分たちの意思で来ているわけではなさそうだけれども…


奇勝・第四石門


石門群の白眉である第四石門に到着。
第一第二もなかなかだったが、やはり第四石門の奇岩ぶりには息をのむ。
山の神様も粋な形で残してくれたなあ…と感嘆せざるを得ない。
石門の向こうには大砲岩やろうそく岩が見えた。


第四石門ごしの大砲岩とロウソク岩

右がろうそくで左が大砲だろうか?



12時15分。
第四石門の右手に奇岩群を展望できる岩場の窪みから、ザ・紅葉に映える妙義山、な風景を望む。
逆光気味だが、なかなかの絶景だ。
昼ごはん休憩をしているらしき家族連れや、遠足の子どもたち、他の登山客のあいだをぬって、なんとかこの絶景を拝むことができた。
右の大きな岩の間に穴が空いているのが見えるだろうか。
ここからの角度的に考えると前回手こずった第二石門の穴かもしれない。
うーん、恐ろしい……

遠足を引率する先生方が「岩の上には絶対行かないようにね!」などと注意するものの、聞く耳持たない子どもたちは口々に「足がすくんだ?」「おれ、へいき!」などと言いながら、スルスルと石門の岩場を駆けめぐっていた。

行列のできる絶景。とまではいかないが、この時期のこの時間帯は平日といえども混み合うこと必至だ。
混雑を避けたいならば、朝早く出発するか、お昼の時間帯以外に行くことをおすすめする。


中国の山奥を思わせるような岩稜

第四石門近くの休憩所は満杯だったので、中国の山奥を思わせるような絶景を背に、大砲岩方面へ向かった。
大砲岩付近でおにぎりを立ち飯して、中之嶽神社へ戻る同行のファザーと別れてソロになり、更に先に進んだ。

迫り来る岩の合間を縫うような登山道

迫り来る岩壁の合間を縫うような登山道が続く。

少し屈まないと通れない登山道

岩壁の圧迫感たるや、の図。
身長160cm弱の私でも頭を下げてくぐるように歩かないといけない場所が所々あった。


紅葉の森にかかる鉄の階段

隙間が広い鉄の下り階段。
少し疲労がたまってきたので隙間にはまらないよう慎重に降りて行く。

日帰りザックは22リットル

本日の装備。
22リットルのザックとストック。
ザックの中にはジェットボイルと食糧が入っていたが、飲料水用の水500mlしか持ってこなかったので結局ジェットボイルの出番はなかった。

行き着く休憩所にはことごとく先客があったため、シャイな私は適当な場所で立ちハイドレーションばかりしていた。
立ちハイドレーション。略すと立ちションになりますね。

裂けてうねる木

登山道を歩いていると強風に晒されてうねった恐ろしげな白樺などをよく見かけるが、こんなふうに裂けてうねった木を見るのは初めてだった。
自然の風の力に畏怖の念を抱かざるを得ない。

(11月10日追記)
すっかり忘れていたが、登山道の途中でオカリナのような楽器の音色が森の奥から聴こえてきたことを、今日になって急に思いだした。
登山道のでっぱりに二人の人影があり、そのうちのどちらかが楽器を吹いている姿が見えた。
音色はベタだが「ふるさと」だった。

「いかにいます父母」
第二見晴に着くやいなや父から携帯に着信があった。
道の駅みょうぎでご飯が食べたいから、のんびり休憩などしてないではよ下りてこい、母も待っている、とのことだった。 

「つつがなしや友垣」
山部の先輩方。
先日の雲取・三峰にて「今年はもう山遊びは終わりだな」などと言いましたが、抜け駆けして妙義に二回も来てしまいました。すみません。

山部先輩との山行→谷川岳・天神尾根ルート初心者登山レコ+宝川温泉での珍事件

「雨に風につけても」
雲取二日目は一日中土砂降りで稜線での休憩中、低体温症寸前になって大変だったなあ…

「思いいづるふるさと」


向井秀徳 - ふるさと


本読みの僧

登山道の目安の一つ、「本読みの僧」は思ったよりも小柄だった。
ラブリーなリラックマが供えてあったのが印象深い。
看板によると中間道の中間らしいが、実際はかなり妙義神社寄りだと思う。
光の加減で青い輪ができているのがなんとも言えない。


第二見晴

第二見晴にて。
妙義神社から見ると第二の見晴らしとなる。
見晴らし台へは鎖を辿らないと行けないのだが、前回の「たてばり」ですっかりビビっていたので、ここには登らずに右側の小高い窪みの方へ登った。



見覚えのある角度の妙義山(金洞山)が見えた。


大黒の滝

大黒の滝。
水はあまり流れていなかったが、枯れてはいない。


第一見晴から「ふれあいプラザもみじの湯」らしき建物を見下ろす

第一見晴から。
あの辺りは「ふれあいプラザもみじの湯」の建物だろうか。



第一見晴からの風景をパノラマ写真にしてみた。クリックすると拡大します。

妙義神社が近づいてくると、麓の方から雷鳴を思わせる太鼓を打ち鳴らす音が聴こえた。
雲取山を下山したときに三峰神社方面から聴こえた太鼓の音と同じだ。
あの日は下山中ずっと土砂降りだったので、雷だと思って怯えたことを思い出した。
たどりついたらいつも雨ふり@雲取山


妙義神社の急峻な石段

14時32分。
無事、妙義神社にゴール。
中之嶽神社同様、参道の階段はなかなかに急峻だ。


荘厳なお社に圧倒される

荘厳極まりないお社にしばし圧倒された。


パワースポットの風格たっぷりな妙義神社参道


パワースポットの風格を感じる参道は石段に次ぐ石段で、参拝客の中には息も絶え絶えな人もいた。


妙義神社入口

神社で登山の無事を報告し終えると、そそくさと道の駅みょうぎの食堂へラーメンを食べに向かった。
もちろん前回はシーズン前で買えなかった名物の下仁田ねぎ(11月中旬からがオンシーズンらしい)も無事手に入れた。
妙義山中間道レコード、これにておしまい。



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