2013年12月31日火曜日

R.I.P. 大瀧詠一

この年の瀬になって大瀧詠一の訃報を聞くとは思わなかった。


「風立ちぬ」で碓氷峠に思いを馳せまくる


今日の紅白歌合戦には、あまちゃんオールスターズが出演したわけだが、天野春子こと小泉今日子から鈴鹿ひろ美こと薬師丸ひろ子にバトンタッチして第一声を聴いた瞬間、涙腺が崩壊しそうになったがなんとかこらえた。
「あまちゃん」の放送は5回ぐらいしか見たことがなく、ドラマにほぼ思い入れがないはずなのに。
薬師丸ひろ子の声は本当に凄いしヤバイ。

そんなわけで。







R.I.P. 大瀧詠一
さらばシベリア鉄道!
どうかよきロング・バケイション(A LONG VACATION)を。




ナタリー - 大瀧詠一が急逝
 彼は昨日12月30日の19時頃に都内の自宅で倒れ、搬送先の病院で亡くなったという。65歳だった。

大瀧は1970年代にはっぴいえんどのボーカル&ギターとして活躍し、解散後は自身のレコードレーベル「ナイアガラ」を創設。1981年発表のソロアルバム「A LONG VACATION」は日本のポップス史に残る名盤となった。その後も松田聖子「風立ちぬ」、森進一「冬のリヴィエラ」、小林旭「熱き心に」など数多くのヒット曲のプロデュースを担当。1997年には自身のオリジナル曲「幸せな結末」が月9ドラマの主題歌として大ヒットを記録した。

大滝詠一さん訃報の知らせを受け、元春からのコメント(佐野元春公式サイト)
大滝詠一さんが亡くなりました。

日本の音楽界はひとつの大きな星を失った。

でもその星は空に昇って、ちょうど北極星にように僕らを照らす存在となった。

大滝さん、ありがとう。

ご冥福をお祈りいたします。

佐野元春

大瀧詠一さん急死:細野晴臣悲痛「彼に詰まっていたポップスの宝庫はどこへ」
 細野は、大瀧さんが岩手県から上京してすぐに知り合った最も古い友人の一人。1970年に大瀧さん、作詞家の松本隆氏(64)とロックバンド「はっぴいえんど」を結成した。
 “戦友”の急死を聞いた細野は、取材に文書で「最初は誤報だと思っていましたが、とてもショックです。大事な音楽家を失ってしまった。残念にもほどがある、という思いです。彼の中に詰まっていたポップスの宝庫はどこに行くんでしょうか」と悲痛な思いを絞り出した。

 また「ずっとソロアルバムを作っていなかったのが気になり、11月中旬に“みんなで手伝うからソロを作ろう”とメッセージを入れたのが最後です」と明かした。


2013年12月26日木曜日

芸術が爆発するうどん店・大澤屋

温泉の町・伊香保には「芸術が爆発するうどん店」がある。

川崎の岡本太郎美術館、青山の岡本太郎記念館でもおなじみ「手の椅子」がお出迎え 
川崎の岡本太郎美術館、青山の岡本太郎記念館でもおなじみ「手の椅子」がお出迎え


ざるうどんと舞茸天二つセットの「楓」  
ざるうどんと舞茸天二つセットの「楓」


大澤屋という名前のうどん店をご存知だろうか。
関東近県でTBSラジオになじみのある人ならなんとなく聞いたことがあるかもしれない。
平日朝から昼に生放送しているTBSラジオの長寿番組「大沢悠里のゆうゆうワイド」の合間に流れる伊香保観光協会提供のCMがいくつかある。
そのCMの一つが水沢うどんの大澤屋(水沢うどん|大澤屋)だ。


2013年12月23日月曜日

「遠い太鼓」は遠雷に似ているから怖い

会社の人に村上春樹の本を貸していただいた。
「遠い太鼓」という旅行記で、「ノルウェイの森」や「ダンス・ダンス・ダンス」を執筆した当時に滞在していたギリシャやイタリアの様子が描かれている本だ。

タイトルを見た瞬間、私には縁の無いギリシャやイタリアの風景ではなく、先日行った雲取山山行の2日目に三峰神社近くで聞いた、麓の方から響いてくる和太鼓の音色を思い出した。

たどりついたらいつも雨ふり@雲取山

最初は雷鳴かと思って慌てたあの音だ。
登山中の雷鳴は登山者を恐怖のどん底に叩き落とす。
落雷から免れるために命がけで下山をしないといけないからだ。

ドーンドーンドーン、(ベタベッタ)ドドンがドン(安田大サーカス)。

だいたい↑こんな感じだった。

春樹さんの本を読むときの礼儀として、BGMはビーチボーイズのペットサウンズにしている。
ビーチボーイズはベスト盤以外にこれしか持っていないからだ。

Pet Sounds - ザ・ビーチ・ボーイズ

真冬並みの寒波が襲来している最中だというのに、夏感が溢れすぎていて戸惑ってしまう。
体温調節がきかなくなるんじゃないかという危惧から、今シーズン初の湯たんぽを出したほどだ。


先ほど(夜10時ごろ)今宵一泊お世話になる東京の友人宅を訪ねたところ、子どもの寝かしつけとともに友人が寝入ってしまい、ドアの鍵は閉まっているので、急遽私の訪問に友人が気づくまで時間をつぶす事態に陥ってしまった。

外で待つこと5分、真冬並みの寒さにトイレが近くなり、たまらず来た道を戻った。
まず道中、近くにネットカフェがないか調べたが、2キロ以上離れた場所にしかない。
ビジネスホテルも近くにはない。
これはどうしたものか。

とりあえず24時間営業のファミレスへ入り、残り少なくなったスマホの充電具合を気にしながら、芯まで冷えた身体を温めるべく、ハーブティーをがぶ飲みし、不安な気持ちを落ち着かせるため、途中まで読んでいた「遠い太鼓」のページをめくった。
ちょうど春樹さんが10月末のギリシャのあまりの寒さに根をあげているところだった。
さっきまで心身ともに冷え切っていた私は、この妙なシンクロニシティにひどく感銘を受けたのであった。
(友人宅へは約1時間後、無事に入れました)

↓2014年1月6日現在、フィンランド編まで読み進めました↓
1987年の村上春樹、ヘルシンキでボブ・ディランを観ない、の巻

2013年12月19日木曜日

Japanese gangster “Yakuza” を撮った日

I shot the YAKUZA. (私は○○○をカメラに収めた)

花園神社 酉の市


2010年11月19日、新宿三丁目の花園神社酉の市(二の酉)でのこと。

私は買ったばかりの Nikon D3000 と AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G を手に新宿の街へ出た。
10日前にも一度新宿に出て街の写真を撮りに行ったのだが、どうにも変わり映えのしないものばかり撮ってしまった。

Nothing
新宿三丁目 無印良品


その反省を踏まえ「今、ここでしか撮れないもの」を狙って、花園神社の酉の市に出向いた。


2013年12月14日土曜日

たどりついたらいつも雨ふり@雲取山


雲取山と聞くと真っ先にこの「えげつない坂」の風景が思い浮かぶ

「たどりついたらいつも雨ふり」だった2013年


今年の山行は半分くらい雨に降られた。
しかも遠方に住む複数の友人とスケジュールをやりくりして、やっとのことで都合がついたパターンの場合はだいたい雨にやられた。

今年の7月中旬に日光白根山(日光白根山に乾杯した日-「天空の足湯」もあるよ)へ登ったときは、霧雨程度の雨だったが、あまりの視界不良にやる気が萎え、半分登った辺りで引き返した。

初ソロ山行の至仏山(至仏山、ソロ登山)もなかなかの雨っぷりだったが、一番やばかったのが10月下旬に日光白根と同じメンバー+一人を加えて山小屋泊した雲取山の2日目だ。
油断してミドルウェア無しの薄着で下山をしたところ、やまないどしゃ降りに稜線を吹き荒ぶ冷たい風が追い打ちをかけ、休憩中に危うく低体温症でやられるところだった。

雲取山山行から帰ると、すぐにファイントラックから出ている汗抜け抜群と評判のミドルウェア「ドラウトクロー」を購入した。


2013年12月4日水曜日

愛と追熟のコミス。コミスを美味しく食べるために。

二度目のコミス  
二度目のコミス(B品)我が家へ

コミスかわいや、かわいやコミス 
コミスかわいや、かわいやコミス


愛と追熟のコミス 
愛と追熟のコミス(指の跡が戻らなければ追熟は十分)



上からコミス 
上からコミス

コミスはある朝突然に

コミス、都へ行く

さらば青春のコミス

2001年宇宙のコミス

フルメタル・コミス

レザボア・コミス

コミスのはらわた

ミーニング・オブ・コミス(コミス狂騒曲)

未来世紀コミス

コミス・イン・ワンダーランド

ハリーポッターと賢者のコミス

バック・トゥ・ザ・コミス

コミス立ちぬ

愛と青春のコミス立ち

コミスだち充

幻の洋梨、ドゥワイエンヌ・デュ・コミス立ちぬ

幻の洋梨 ドゥワイエンヌ・デュ・コミス立ちぬ 


コミスのリンク集

洋なしとは、洋なしの歴史、おいしい洋なしの選び方、見分け方、保存方法、コミスの他、ラ・フランス、ル・レクチェ、バートレットなど、種類の違いを解説。オールアバウト洋なし、なページ。

食べ方、食べ頃の見分け方などを解説したショッピングサイト。

前回と今回食べたコミスは両方とも見城さんのコミスです。もう手に入らないかも…

コミスの食レポート

  • コミスを育てる?



だるまの新作-サンタだるま


高崎駅東口のE-siteにあるダルマショップで発見したサンタだるまを平泉の友人へ届けた。 ダルマ様、彼女の願いがどうか叶いますように。


目玉を書く場所は?

2013年11月27日水曜日

平泉で初いわて南牛、初わんこそば

ご当地ブランド牛「いわて南牛」とラム肉の夢の競演

このブログでは、旅に関連して「なんともいえないほっこりした(もしくは奇妙な)心持ちになる」ことを“旅情”と表現している。

今回のみちのくの旅路で最初に感じた旅情は、前回の日記でも書いた、
「新幹線ヌードページ事件」平泉2012 中尊寺の紅葉に間に合う
なのだが、旅路を始める直前にも、ちょっとした旅情を感じた。

荷造りをしようとボストンバッグを整理していたら、一年前に行った中尊寺内にあるレストラン「かんざん亭」のレシートがポケットから出てきたのだ。


中尊寺かんざん亭のレシート

泊まりがけの旅行に出るのは先月の登山で行った山荘(雲取山荘)以来だったのだが、もちろん登山に持って行くのはバックパックだ。
「このかばんを使うのは一年ぶりなのか」としみじみし、「今年もかんざん亭に絶対行こう!」と思った。
たどりついたらいつも雨ふり@雲取山

昨年秋の旅程は平泉の中尊寺周辺や厳美渓が中心だったが、今秋の旅程は、

初日:夜、平泉入り→焼肉屋八つ花→友人宅
二日目:中尊寺→芭蕉館→猊鼻渓→居酒屋→平泉温泉→友人宅
三日目:平泉駅→気仙沼→群馬

このようなちょっと変わった日程で進めた。
三日目は旅程を共にした友人が仕事だったので、平泉から少し離れるが大船渡線(ドラゴンレール)で1時間半ほどかけて一人で気仙沼へ行くことにした。



いわて南牛とラム肉

初日夜はいきなり焼き肉で攻めた。
前回の平泉旅行でも焼肉店へは行っている。
記憶が曖昧なのだが「ソウル食堂」か「高粱(こうりゃん)」のどちらかで、おそらくソウル食堂の方だったと思う。
昨年はあいにく友人が一推ししていた一関や平泉で育った和牛ブランド「いわて南牛」の肉が品切れで、かわりにお店の人が薦めてくれたイベリコ豚(スペイン産)をしかたなく食べたのだが、このイベリコ豚が舌の上でとろけるほど絶品だった。
だがわざわざ岩手まで来てなぜイベリコ豚なのだという感じは否めない。旅情もへったくれもない。
今回こそはご当地ブランド牛「いわて南牛」を食べるのだ!
そう意気込んでいた。

今回行った焼肉店は毛越寺近くの「八つ花」。
入店したのは夜10時近かったが、なんとかお目当ての「いわて南牛」にありつくことができた。
憧れのいわて南牛は脂が乗りに乗っていて、やわらかジューシーでとにかく絶品だったが、友人が頼んだラム肉も相当旨かった。
このあたりでは義経つながりなのか、ジンギスカン料理が盛んらしいのだ。

しかも女二人でお会計が4500円だったことに心底驚いた。
友だちはビールを頼み、私は白米を一切食べず、いわて南牛、ラム肉、ホルモン、ミノなどの肉を中心に、二人とも歩けなくなるほどお腹いっぱい食べたにもかかわらず、一人当たりたったの2,250円だったのだ。
ブランド牛がこんな値段で食べられるとは予想もしていなかった。


かんざん亭へ向かう道中。中尊寺のイーハトーヴ

かんざん亭へ向かう道中にて。
昨年、宮沢賢治(岩手出身で猊鼻渓そばの砕石場勤務時代あり)のシルエットに似た人物を見つけて「イーハトーヴ」(賢治の想像上にある理想郷)を勝手に感じていた場所で今年も一枚撮影してみた。
木々が覆い重なっているのでこの部分の木はまだ紅葉していなかった(2013年11月16日時点)。


2013年のイーハトーヴ

同じ場所で撮影した昨年(2012年11月24日)の写真。
黒い帽子に黒いコートの人物が、なんだか宮沢賢治に見えなくなくなくなくなくない?
対談「宮沢賢治の銀河世界」
ほらほらこの感じ。




二日目は朝から中尊寺内をさらっと散策した。
本当はかんざん亭で昼食を頼むつもりだったのだが、友人の
「せっかくだし、わんこでいいんじゃない?」
との提案から、かんざん亭では朝のティータイムを過ごすことにして、昼食は平泉駅前の芭蕉館へ行くことにした。


標高1548mの焼石岳は早くも雪化粧をしていた

かんざん亭ではプレスコーヒーを頼んで二杯分のコーヒーをいただき、無料で提供されたかりんとう饅頭をほおばり、山座同定に見入って「秋田と岩手の県境、 焼石岳1,548m。そんなに高くない山なのにさすがは東北。もう雪化粧をしているよ。(´∀`*)ウフフ」などと旅情を楽しんだ。




初わんこそば24杯(24客?)


昼食は芭蕉館で初のわんこそばに挑戦。
天ぷら盛り合わせとフルーツ付きの盛り出し式わんこそば・特(2400円)を注文した。

一つのお盆に12客のお椀が乗っているものが二段になっているので、お椀は合計24客あり、お椀の中には一口程度ですすれる蕎麦が盛られている。
確かお盆一枚(12杯)分まではおかわり自由だったと思う。

わんこそばというと、お椀の中のそばをすすり終わると、後ろに立った給仕の人にすかさずおかわりをお椀に放り込まれる「大食い選手権」の様相を呈した食事のイメージがあったが、こちらのわんこそばはあらかじめ盛られたお椀を一つ一つ自分のペースで食べていく形だった。

さまざまな薬味、山菜、マグロ山かけ、いくら、なめこおろしなどがついているので一口一口が新鮮な味わいで、全24杯を飽きずにするっといただくことができた。
しかし前日の焼き肉店で動けなくなるほど満腹になってしまったので、今日は腹八分目にしようと友人ともども反省したのだが、その反省はここであまり生かされなかったことを報告しておく。

天ぷら、フルーツなしのわんこそばは1800円だが、天ぷら盛り合わせには海老も入ってお得感があるので、600円多く出してこちらを頼むことをおすすめしたい。
季節によっては干し柿の天ぷらがつくのだが、この天ぷらを口にした瞬間、味の予想がまったくつかなかったので、かなりびっくりした。


完食記念にお椀を重ねて一枚撮影。
お椀の赤が綺麗に映えた写真となったので、気を良くしてFacebookに載せたところ、気仙沼出身の友人から「このお椀は秀衡塗(ひでひらぬり)。有名なんだよ」と指摘された。
一緒にいた友人に「秀衡塗って?」と聞いたら、奥州藤原氏ゆかりの漆器で、かなり高級品らしく、お椀一客が10万円以上するものもあり、安いものでも何千円はするとの回答だった。
事前にそれがわかっていればこんなふうに重ねることもなかったと思う。
今度秀衡塗に出会ったら、もっと大事に扱わねば、と反省した。


昨年、同じく芭蕉館で食べた山かけそば。
今年のわんこそばの写真とを見比べてみると、残念ながら華はない。
やはり芭蕉館で食事をするなら、少し値ははるが「わんこそば」をおすすすめしたい。

芭蕉館のサイト→ 芭蕉館 岩手県 平泉 元祖盛り出し式わんこそば 

みちのく旅シリーズ



2013年11月24日日曜日

平泉2012 中尊寺の紅葉に間に合う

2012年11月24日の中尊寺の紅葉

紅葉の絨毯

BRAVIA 4K対応液晶テレビのCM「薪能」でおなじみの能舞台

みちのく旅の始祖ともいえる奥の細道・松尾芭蕉の像



平泉に行くのは二度目になる。
昨年のちょうど今頃の時期に平泉在住の友人を訪ね、平泉・中尊寺・達谷窟(たっこくのいわや)・厳美渓(げんびけい)などの観光名所を案内してもらった。

今年の夏山秋山シーズンが終わり、日帰り低山登山ぐらいしかやることがなくなった季節が訪れ、ふと、

「そうだ、平泉へ行こう」

とまた思った。
今年は去年より一週間早い秋旅だ。
中尊寺の紅葉はちょうど見ごろを迎える。
期待は高まり胸躍った。

今年の平泉の旅路は、中尊寺〜幽玄洞・猊鼻渓〜気仙沼を巡った。
が、その前に昨年2012年11月24日、25日に巡った中尊寺、義経堂、毛越寺、達谷窟毘沙門堂、厳美渓の様子を話したい。




2012年11月24日の中尊寺・金色堂前


中尊寺最大の見所といえば、こちらの金色堂だろう。

平泉を案内した書籍(地元でのみ販売されている)に掲載されていたドナルド・キーン氏のコラムによれば、キーン氏が最初に平泉を訪れた昭和30年には金色堂の中に入ることができたとか。
現在では保守維持の関係で、金色堂は大きなガラスで覆われ、少し遠目にしかお目にかかることができない。

今年は旅程と友人のスケジュールから中尊寺には1時間半ほどしかいられなかったので、二度目の金色堂参拝は断念した。


かもめの玉子、義経堂勝守り、衡年茶、ふかひれスープ…去年の平泉土産


去年の平泉土産。
義経堂(ぎけいどう)、毛越寺(もうつうじ)、中尊寺、平泉駅前の蕎麦屋「芭蕉館」などで買ったお土産たち。
お守り、衡年茶(こうねんちゃ)、浄土のめぐみ、そして地元でのみ入手可能な平泉を学ぶことができるムック本。そして芭蕉館でもらった世界遺産登録記念ボールペンなどだ。
とはいえ気仙沼のフカヒレスープ、大船渡の銘菓「かもめの玉子」の存在感の方が大きかった。




今年はいわて南牛やら焼き秋刀魚やら秋刀魚の刺し身やらホルモンやらわんこそばやらのご馳走に手持ちのお金を使い果たしてしまったので、お土産は巌手屋の南部煎餅のみとなった。


硬い!でも美味しい!噛めば噛むほどに乾燥ホタテから旨味がにじみ出る。
ただし歯ごたえがありすぎるので詰め物、入れ歯など歯に難のある年配の人はとくに注意してください。

そういえば今年も行った芭蕉館ではまたもや世界遺産登録記念ボールペン2013バージョンLEDライト付きをもらってしまった。

途中乗り換えの大宮で、さすがに南部煎餅だけでは申し訳なく思い始めたので、新幹線ホームの駅弁屋に寄って土産物を物色することにした。
母が大好きな横浜名物の崎陽軒のシウマイと、道中の小腹対策に仙台名物の一口牛たんサンドを、自販機では東北限定と銘打たれた山形の佐藤錦ジュースを買った。
大宮駅はなんでもあるな!と感動し、少しだけ哀しくもなった。


中尊寺衡年茶・浄土のめぐみ


「浄土のめぐみ」には華鬘(けまん)が描かれている。

華鬘とは→中尊寺金色堂からやってきた華鬘(けまん)のしおり

パッケージはかわいいが、お茶は少し薬っぽくてクセがある。
ノーマルの衡年茶はしっかり蒸らして淹れるとカモミール(衡年茶の成分表記はカミツレ)の甘みが出て絶品の味になる。

この一年、中尊寺に直接注文して取り寄せて家で毎日のように飲んでいたが、一年ぶりに訪れた中尊寺内のカフェ「かんざん亭」で出してもらった衡年茶は、また格別の味がした。
気のせいだろうか。


かんざん亭の山座同定
かんざん亭の窓には手描きの山座同定。

浄土のめぐみ、衡年茶、ともに中尊寺でのみ取り扱っている商品だ。
衡年茶の成分によく似た「百年茶」はさまざまな場所でよく見かけるので手に入りやすいはずだ。

中尊寺・天台寺お茶セット|ほほえみ倶楽部 (浄土の恵み)
中尊寺の通信販売



義経堂の勝守り

義経の勝守りは義経堂で購入。
義経堂でしか買えない限定カラーは赤。
黒は毛越寺でも買えるのだが、断然黒の方がかっこいいので迷わずこちらを選択した。


毛越寺浄土庭園

夕暮れ時の毛越寺浄土庭園。昨年は発掘調査中だった。


達谷窟毘沙門堂(たっこくのいわやびしゃもんどう)の入口


今回は行くことができなかった達谷窟(たっこくのいわや)はお気に入りの場所だ。
境内の奥にある岩壁には、大きな仏の顔が刻まれている。


達谷窟奥の岩壁

達谷窟本堂から

最近教えてもらった話なのだが、達谷窟(たっこくのいわや)当主の苗字は、同じく「達谷窟」さんというが、読み方は「たがや」らしい。
なんて難解で、なんてかっこいい苗字なのだろう。
友人は達谷窟さんとはお友だちらしい。
うらやましい。


岩と一体化した本堂

そういえば、こんな厳かな空気の中、隣家から「天体観測」が流れてきたのがひどく印象に残っている。これもまた「旅情」の一種だと思う。



旅情といえば、今回の旅路で一番最初に旅情を感じた出来事は、仙台から古川に向かう新幹線内で起きた珍事だった。
金曜日の夜、仕事終わりにそのまま群馬から平泉に向かったので、おそらく夜19時〜20時台の時間帯だったと思う。
窓の外は真っ暗で、前の座席のおじさんが広げているスポーツ新聞が鏡状になった窓にはっきり映っているのが見えた。
何の気なしに見ていると、途中で女性の裸体がくっきりはっきりと窓ガラスに映しだされたのだ。

彼はスポーツ新聞の風俗面をどれぐらい眺めていただろう。
しばらくすると今度は大相撲ニュースの面を広げた(またもや裸体なのだが)。
本人は全く気がついていない様子だったので、それがたまらなくおかしかった。
「ああ、私は旅に出たのだなあ……」
ハプニングというにはあまりにも小さな出来事だったが、旅先ならではの珍事を私は楽しんだ。

みちのく、たびたび、一人旅。
この話、まだ続きます。

みちのく旅シリーズ


2013年11月19日火曜日

みちのく、たびたび、ひとり旅

気仙沼・南町紫市場のホヤぼーやパネル。
撮ってくれる人が周りに誰もいなかったので顔ハメならず。


人間にはさまざまな感情がある。
純情、愛情、友情、慕情、劣情、色情、同情、憐情……

私はそのあらゆる感情の中でももっとも「旅情」を大切にしていきたい。
そう思っている。

純情、愛情、過剰に異常、純情、愛情、過剰に異常、ヤマトナデシコ七変化…


平泉に住む友だち(中尊寺金色堂からやってきた華鬘(けまん)のしおり)と友人各氏の出身地・気仙沼をたずねる、みちのくの旅路日記、続きます。


みちのく旅シリーズ



 

2013年11月11日月曜日

幻の洋梨ドゥワイエンヌ・デュ・コミス、我が家へ

夢にまで見たドゥワイエンヌ・デュ・コミス、我が手にライドン


幻の洋梨との呼び声も高い「ドゥワイエンヌ・デュ・コミス」をご存知だろうか。

ドゥワイエンヌ・デュ・コミス
別名「ドゥイエンヌ・デュ・コミス」
またの名を「ドゥワインヌ・デュ・コミス」
もしくは「ワイエンヌ・デュ・コミス」
そうかと思えば「ワイエネ・デュ・コミス」
ところがどっこい「ワイエネ・デュ・コミス」
大胆にも「ドゥ・コミス」、大雑把に「デュ・コミス」などと短縮形で言う人もいる。
コミス吉祥寺。それは「コピス」の間違い。
パリス吉祥寺・荻窪店。パリなのか吉祥寺なのか荻窪なのか。一体それはどこにあるんだ?
ラフォーレ原宿 小倉店(福岡県)。もうそんな店はないぞ!

兎も角、どれに統一すべきか悩むので、以下は「コミス」とだけ書く。

今年の群馬のコミスは史上最高、とのこと。
一応リンクをはったが売り切れである…


コミスとは洋なしの一種である。
その昔「天皇の料理番」というタイトルの堺正章主演のドラマがあったが、主人公その人のモデルとなった宮内省(昭和24年より宮内庁)大膳職主厨長・秋山徳蔵氏をして、

「あれこそが果物の王」
「かす一つ残さず、アイスクリームのように溶けてしまう」
「四十年たった今でも、まだあの味が舌に残っている」

とまで言わしめた幻の洋梨、それが「コミス」なのだ。

私がコミスを知ったきっかけは、いつも愛聴している954ことTBSラジオの人気番組「安住紳一郎の日曜天国」でのことだった。

安住紳一郎の日曜天国 Podcast(TBS RADIO 954kHz)
2013.10.27「幻の洋梨『コミス』」より。

妙義山に向かう高速道路の道中で聞いていたラジオでは、安住アナウンス部次長が呪文のようなそのプレゼントの名前を連呼していた。
難解な名称を正確に聞き取って、ちゃんと正解しないとプレゼント応募の資格が得られない、ハードルの高いヒアリングプレゼントクイズだったのだ。

でゅわいえんぬこみす?どわいえんぬこみす?
安住次長は20回ぐらいは連呼していただろうか。
私が導き出した答えは「ドゥワイエンヌ・デュ・コミス」。
だが正解は「ドゥアイエンヌ・デュ・コミス」だった。
惜しい!一字違い!
ちなみに日曜天国公式Twitterの安住次長談によれば正解率は5%(その後応募者1717人中50人が正解と判明)を切り、苦情殺到だったとか。

フランス語で「Doyenné du Comice」
そのまま「幻の洋梨」という意味らしい。

私はコミスという名の世にも珍しい果実にうっすら興味が湧いてきていたが、道中すでに心は妙義山にあった。
だが安住次長から語られたコミスの産地を聞いてから、俄然コミスのことが頭から離れなくなってしまった。
どうやらその幻の洋梨は、我らが渋川市の見城さんという方が作っているとのこと。
育成の難しさからコミスの量産に成功した生産者は日本に十人もいないらしい。
その稀少な幻の逸品が、ここ群馬で作られているなんて!




最初に日曜天国で取り上げられたコミスは↑の信濃は倉田さん生産のコミスだった。
そこからいろいろあって今年は見城さんのコミスがプレゼントされることに。
そのあたりの経緯はにち10Podcastingなどで聴くことができる。
TBS RADIO 954 kHz > 安住紳一郎の日曜天国
興味を持たれた方はぜひ。


以上のようなことを考えながら登山したせいだろうか。
あの日の妙義山中では道を誤った。

誤った日の山レコ→ワイルド・サイドを歩け@妙義山
間違えずに歩けた日の山レコ→ 紅葉に映えよ!妙義山〜安心安全ハイキング


さて、妙義登山での「死んでたかもしれない!」という興奮も冷めやらぬまま、帰路についた私は家につくとさっそくインターネットに接続し「コミス」「幻の洋梨」「渋川 農園 洋梨」などのキーワードを検索窓に叩き込んだことは言うまでもない。
いや、本当のことを言うとその前に「かにのよこばい たてばり やばい 死ぬ」などのキーワード検索をするのが先だったが。

翌日会社で隣の席の渋川出身の同僚(母上が清芳亭の元従業員)に「見城さんのコミスって知ってますか?」と聞いたが芳しい答えは得られなかった。
別に答えを得られなくてもよかったのだが、最近配属替えで正面の席にやって来た、もう一人いる渋川出身(旧小野上村)の同僚にも話題をふってみたところ、驚きの答えが返ってきたのだった。

小野上出身Nさん「コミス、知ってます。すごく美味しいんです」
私「食べたことがあるんですか?すごい!!」
Nさん「見城さん、実は父のお友達なんです」
私・渋川出身Iさん「ななななな、なな、なんと!」

そんな話をした翌々日ぐらいだったろうか。
朝オフィスに入り自分の席まで行くと、椅子の上に目立たぬようひっそりと白い紙袋が置かれていた。
辺りにはほんのりと甘い香りが漂っていた。
恐る恐る中を覗くとそこには恋い焦がれた、あのコミスの姿があった。

おそらくNさんのお父上のご厚意により、通常は直売所などでしか手に入れられないらしいB品といわれるコミスを一つ分けていただける運びとなった。
自分の名誉のために言っておくと、決してねだったわけではない。
ただ、「すごいですね~」「うらやましすぎます!」「ぜひ私も見城さんとお近づきになりたい」などと羨み発言をしすぎた感は否めない。
ありがたく頂戴し、家の者には「コミス我が手に」というメールを送った。

夢にまで見たドゥワイエンヌ・デュ・コミス、我が手にライドン

夢にまで見たコミスを手に、はしゃいで一枚パチリ。

Nさんによれば、洋梨は買ってから数日〜1週間は家に置いて熟すのを待たないといけないが、このコミスはもうすでに食べ頃を迎えているとのこと。

さて、以下はコミスの食レポとなる。食レポは苦手だが、食べたことのない人の参考になればこれ幸い。



私のコミス評

黄色く薄い皮を剥くやいなや、甘く芳醇な香りが辺り一面に広がる。
剥いたそばからナイフをつたってとろみのある濃厚な果汁が滴り落ちてくる。
そのみずみずしさは和梨以上に思える。
滴り続ける果汁のせいで実がツルツルと皿の上をよくすべるので、一口大の一片めがけて大胆にフォークをぶっ刺す。
すると手には独特の弾力が返ってくる。
不思議な感触を楽しみながらも、ついにその幻を口に含む。
舌に乗せると重くずっしりとした密度を感じるのに、秋山徳蔵氏が評したとおりに、噛んだそばからまるでアイスのようにとけてなくなってしまう。
クリーミーな甘みとさわやかな酸味。
重量感があり、かつさわやかでなめらかな食感は今まで一度も味わったことがない、生まれて初めての感触だった。
それはまるで夢を見ているようだった。
一家で寄って集って食べたコミスはあっという間に消えてなくなってしまった。
コミス、君はいずこへ?
ああ、私の腹の中だ!!
コミス、カムバック!!!



↓2014年もちゃっかり食べちゃいました…↓
今年もドゥワイエンヌ・デュ・コミスがやってきた!

コミス情報リンク集

愛と追熟のコミス。コミスを美味しく食べるために。