2014年1月6日月曜日

1987年の村上春樹、ヘルシンキでボブ・ディランを観ないの巻

12月中旬くらいから人に借りて読み始めた「遠い太鼓(「遠い太鼓」は遠雷に似ているから怖い)」内の紀行がようやくフィンランド編に突入した。

どうでもいいけれど群馬に帰ってきてからというもの、めっきり読書をしなくなり本を読むペースが遅くて遅くてどうしようもない。
年を越して正月も明けて、ようやく中盤のフィンランド編突入とあいなった。





「○○年の△△ボール」といえば。


「○○年の△△ボール」の本家

1987年にヘルシンキ入りした村上春樹は、ちょうど同時期にヘルシンキに来ていたボブ・ディラン(「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」に登場)とトム・ペティ(「ダンス・ダンス・ダンス」に登場)の公演を観ない、という選択を下していた。

The Freewheelin' Bob Dylan - ボブ・ディラン
Tom Petty & the Heartbreakers: Greatest Hits - Tom Petty & The Heartbreakers

理由は二つ。

一つは、その前の年に日本でディランの武道館公演を観ていたから。
もう一つは、公演会場が「アイス・ホール」という名の普段はアイスホッケーなどをする会場で[「寒くて嫌だった」という理由からだった。

ディランといえば、この春久びさに来日するらしい。
つい先日、お世話になっているO先輩からボブ・ディラン日本公演のお誘いメールがきたので、即答で「ぜひご一緒させてください!」と返した。

私がディランの曲で知っているのは、「ライク・ア・ローリングストーン」とか、真心ブラザーズ版やラモーンズ版の方が個人的には馴染みの深い「マイ・バック・ページズ」とか、RCサクセションのカバーズで聴いていた「風に吹かれて」とか、ジミヘン版、ポール・ウェラー版の「見張り台からずっと」ぐらいのものだ。

GOODDEST - 真心ブラザーズ
Acid Eaters - Ramones
Covers - RCサクセション
Experience Hendrix - The Best of Jimi Hendrix - ジミ・ヘンドリックス
Studio 150 - ポール・ウェラー



要するにディランにぞっこん、という訳では全然ない。
よく聴くのもカバーの方ばっかりだ。

ではなぜ二つ返事で行きます!と返答したのか。
それは今回誘ってくれたO先輩を昔ザ・フーの単独初来日の武道館公演に無理矢理付き合わせてしまった負い目があったからだ。
私はとにかくザ・フーが大好きで(水沢山登山レコードを読んでくれた勘の鋭い方はお気づきだと思う)、先輩はそれほどでもなかった。
そんな先輩のディランの誘いを断るわけにはいかない。


それと、共通の友人の一人にライブや観劇や映画や旅行などの誘いはほぼ断らない、Yという非常に付き合いの良い人がいるのだが、彼女も先輩の誘いに乗って来るのではないかと踏んだからだ。
群馬との距離もあったり、登山をやらない東京のYとはかれこれ一年は会っていない。
そろそろ会いたいと思っていたところだった。
案の定、その後先輩から「Y川も来るよ」と連絡があった。

それから「遠い太鼓」文中でも春樹が述べているように、ディランはかなり歳を召している。
アイス・ホールでの公演だけに、ディランも冷え症になるのでは?と心配されるほど、1987年時点ですでにいい歳なのだ。
次の機会があるかどうかわからない。

「また今度でいいや」
そうやって私は、立川談志の落語を生で観る機会を永遠に逃してしまった。
だからこの度のディランを見逃すわけにはいかない。
映画 立川談志(ディレクターズ・カット)


そういえば今回一緒にディランを観に行くYとは、昔ジョアン・ジルベルトの来日公演にも行くはずだった。
YとO先輩は、伝説のジョアン・ジルベルト初来日公演(舞台上でジョアン熟睡、本人希望によりエアコン停止で会場ムンムン、連日の開演遅延、「アーティストは現在、会場に向かっています」のアナウンスに会場大ウケ…etc)を観ている。

Joao Gilberto - ジョアン・ジルベルト

私は何度目かの来日公演の際にYを誘っていたのだが、ジョアン当人の体調不良でその年の来日公演は中止になってしまった。
ジョアンよ、一体いつリベンジしてくれるんだ!

ディランはこの際置いといて。
ともかくジョアン、カムバックアゲイン!

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