2016年4月23日土曜日

【残雪期】赤岳鉱泉のステーキ&雪山登山レコ

赤岳鉱泉のステーキは山小屋ご飯の最高峰 

今シーズン最後の雪山山行として、前から行きたかった“絶品ステーキ↑が出る山小屋”こと八ヶ岳の「赤岳鉱泉」へ行って来ました。
ステーキについてはのちほど。



美濃戸の登山口から赤岳山荘までの苔むす道中

美濃戸(みのと)登山口を10時にスタート!
登山口から途中の堰堤広場(えんていひろば)まで、2時間ほどはこのような林道歩きがずーっと続きます。
道中は燦々と日が差し込むのに、こんな感じの苔むした箇所ばかり。
もののけ姫のアレみたいです。白いアレとかが出て来そうですね。


スノーピークのチタンマグと雪山登山用の安いサングラス

最初の休憩ポイント「赤岳山荘」前でコーヒー休憩。
前回の雲取山行では時間が足りないかもしれないという焦りから、一度も野外コーヒーを飲まなかったので、今回はたっぷりコーヒー休憩を取ります。
やっぱり野外で飲むコーヒーは一味も二味も違いますね!(゚д゚)ウマー

(こんな記事も書いてます→コーヒーショップもいいけれど…晴れた日は山頂で「極上のコーヒー」を飲もう!

コーヒーのお湯はリーダーYさんのジェットボイルで沸かしてもらいました。
いつもすみません。。
自分のジェットボイルは一昨年のフジロック以来、まったく使っていません。
山に背負って行くには重いんだよなぁ…

マグはスノーピークの、持ち手が折りたためる「チタンマグ」シングルウォール300mlです。
上の寄稿記事でも書きましたが、キャンパーやフェス系の人たちにはイケてる木製マグや、DINEX のカラフルなプラスチックマグなどが人気なようですが、軽量コンパクトなUL(ウルトラライト)が重宝される登山シーンでは、このチタンマグ一択でしょう。
コーヒーやスープを飲むなら300mlがちょうどよく、長時間のんびりするわけでもないので、保温効果の高いダブルウォールよりも軽量なシングルウォールの方が断然おすすめです。
キャンパーはマグかぶりを気にしそうですが、我ら登山ユーザーはほとんど気にしません。
ちなみにYさん所有の同じマグには「50th」の文字が入っていました。
50周年おめでとう、スノーピーク。
せっかくなのでスノーピークマグ、貼っておきますね。


赤岳鉱泉のアイスキャンディ

登山口から3時間ほどで、本日の宿泊地「赤岳鉱泉」に到着。
美濃戸口との標高差はだいたい700mくらいで、地味ながらもけっこう登ってきたんだなあ、と実感。

赤岳鉱泉小屋よりも先に、解凍作業中の巨大なアイスキャンディ(アイスクライミング用の人工氷壁)が登山客を出迎えてくれます。
周辺一帯にはアイスキャンディの雪崩に巻き込まれないようロープで囲いが。
写真で見るとそうでもないですが、実物は巨大なモンスターが断末魔の叫びを上げているような、一種禍々しい雰囲気がありました。
背後に控える横岳や赤岳とのコントラストも素晴らしい!

赤岳鉱泉の談話室

登山グッズや書籍などが並ぶ赤岳鉱泉の談話室。
シーズン前だったので、談話室を利用している人は誰もいませんでした。
「赤岳鉱泉」は「鉱泉」と付いているくらいなので鉱泉が湧いている小屋なのですが、冬季(11月〜4月末)は入浴できません。
残念!

小屋に一回チェックインしてしばし休憩し、体調も良さそうだったので、中山展望台へと足を伸ばします。

赤岳鉱泉から上はほぼ雪道

赤岳鉱泉から上は、ほぼこんな感じの雪道が続きます。
今年は例年になく雪が少ない年だったので、雪山に間に合うかな?とドキドキだったのですが、なんとか間に合いました!
冬靴を買ったかいがあったというものです(初めての冬靴はハンワグ・フリクションGTX)。

途中の堰堤広場から赤岳鉱泉、そして中山展望台に至るまでアイスバーン化している箇所が多々あり、先行するリーダーのYさんを見習って、チェーンアイゼンを小刻みに蹴りこみながら登ります。
日光白根山、二度の雲取、と雪山山行を重ねてきましたが、いつもシャーベットやパウダースノーばかりで、今回のようなアイスバーン化している箇所を登るのは初めてで内心ヒヤっとしましたが、死ぬような傾斜でもないのですぐに慣れました。

中山展望台から赤岳方面

今回の山行のピークである「中山展望台」から赤岳方面を望む。
ここからは横岳の大同心、小同心もよく見えました。最高の景色です!

ここへ至る少し前、動悸が激しくなってきたので、Yリーダーに「ここで帰っていいすか?」と訴えましたが「あと少しだから!」と却下されたのは余談です。
谷川岳浅間山でお伴したリーダーのRくんも普段は優しい人なのですが、やっぱりこういう時のリーダーは皆、鬼になりますね((;゚Д゚))ブルブル

せっかくなのでお茶でも、とカモミールティーを淹れたものの、風が強くなってきたのと動悸がしてきたので早々に退散させてもらいました。

赤岳鉱泉の窓の外

部屋の外は雪景色。
平地では20度を超える初夏のような陽気でしたが、八ヶ岳はまだ冬でした。

仮設トイレ

裏手の仮設トイレ。
翌朝見ると強風で左端の1台が倒れていたのには驚きました。

ちなみに小屋の中にあるトイレは、雲取山荘と似たような感じで、水洗で便座も暖かく清潔そのもの。
冬期は洗面台が使えないので、手は備え付けのアルコールで消毒します。
チェーンアイゼンをつけるときに指先を擦りむいてしまったので、受付横にあった無料の給水所で水を汲んで指先を洗ったりもしました。


ステーキとサラダと豚汁と生のパインとグレープフルーツ

待ちに待った晩ごはんのステーキ!
一切れ目からうまい!最高!絶品!
でも二切れ目から…脂が…ヘビーで…

実はご飯の1時間前くらいから高山病の気が出始めていて、あれだけ楽しみにしていたステーキを半分残すという大失態を演じることに…
気分の悪さは一向に改善せず、一体私は何をしにここへ来たのだろうかと自責の念に駆られました(´;ω;`)。
赤身の弾力あるお肉で、わりと脂軽めのステーキだったっぽいのですが、ほとんど手がつけられず、サラダに入ったマヨネーズの油にすらお手上げの状態で、美味しい美味しい豚汁の具も野菜しか食べられませんでした。
そんな中、生のパインとグレープフルーツのボリュームが非常に有りがたかったなぁ…

赤岳鉱泉の朝ごはん

呼吸が浅くなるのであまりぐっすりは寝られなかったものの、翌朝にはご飯をお代わりするまでに体調も回復。
朝ごはんも超絶うまい!(゚д゚)ウマー
寝る前に暗闇の中でこぼしつつ飲んだ「救心」が効いたのかもしれません。
ついでにこぼした1粒をYさんに分けたところ「これって鹿のウンコ💩だよね?」と言われました。
Yさんの頭の中では「麝香=💩」という図式のようです。
山の上は電波が繋がらないので、あとで「麝香」を検索しようと言ってすっかり忘れ、今調べたところ、💩じゃなくて「包皮腺」という部位から取っているらしいことが判明。
つまり…検索してみてください。
なんだか鹿にすごく申し訳ない気持ちになります。
Yさんは「コピ・ルアック」(高級品)というコーヒーと勘違いしてたっぽいです。

そういえば、食堂のソロ女子たちのテーブルの一角で、前日中山展望台前ですれ違った、ローバーのシューズに12本アイゼンを履いていたソロおばあちゃんハイカーを発見しました。
そのおばあちゃんがとてもかわいらしくて、無性におしゃべりしたくてたまらなかったのですが、「準備があるし急がないとなあ…」と思って結局一言も交わせずに山を下り、それが今回の山行における最大の後悔でした。
おばあちゃんは行者小屋を経由して美濃戸口に下山すると他のお客さんに話していました。
私は一体何歳まで雪山登山ができるんだろうか?

赤岳鉱泉へ行く北沢、行者小屋へ行く南沢の分岐点

帰りの美濃戸山荘前(赤岳鉱泉へ行く北沢、行者小屋へ行く南沢の分岐点)で最後のおやつパーティを開催。
日が照っているのにずーっと雨が降って、強風吹きすさぶ中での休憩でした。
この日の強風は仮設トイレもなぎ倒されるほど強烈なもので、都内では工事中の足場が崩れるなどの被害が多発していたそうで、怖かったですね~。
赤岳鉱泉から美濃戸口まで危ない箇所は無いものの、無事下山できて何よりでした。

小淵沢の道の駅で食べた長野名物「ソースカツ丼」

「小淵沢 道の駅」で食べた長野?山梨?名物「ソースカツ丼」とは、燕岳登山(ダメレコ)以来のご対面。
当然うまい!野沢菜の古漬けもうまい!

道の駅で枝垂れ桜

道の駅で枝垂れ桜を見て一段落の図。
天気雨の雫が滴る桜の淡いピンクが青空に映えて、とても風流でした。

帰りは道の駅敷地内にある「延命の湯」に入浴し、ついでに血管年齢を計測したところ、51〜55歳という恐ろしい結果に愕然。
そりゃ高山病で動悸も出ますわ!

今回わかったのは、おそらく雲取山の標高2,000m前後が自分の体調のリミットで、それ以上の山域(燕岳の例もあり)になると高山病を発症しやすい、ということ。
2,500mを超える日光白根山は日帰りだったので発症しませんでしたが、泊まりだと注意が必要そうです。
次回2,000m以上の山域に泊まりで行くときは、事前に必ず救心(鹿のアレ入り)を飲んでおこう。
それでもダメならダイアモックスという薬を事前に処方してもらおう。。φ(..)
あと血管年齢は一応若返るらしいので、あのおばあちゃんハイカーを見習って、摂生していきたいと思います。

赤岳鉱泉・行者小屋オリジナル手ぬぐい

もちろんオリジナル手ぬぐいも入手!かわいいなぁ♥
シリーズ・山てぬぐいにも追加しておこっと。

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