2013年12月23日月曜日

「遠い太鼓」は遠雷に似ているから怖い

会社の人に村上春樹の本を貸していただいた。
「遠い太鼓」という旅行記で、「ノルウェイの森」や「ダンス・ダンス・ダンス」を執筆した当時に滞在していたギリシャやイタリアの様子が描かれている本だ。

タイトルを見た瞬間、私には縁の無いギリシャやイタリアの風景ではなく、先日行った雲取山山行の2日目に三峰神社近くで聞いた、麓の方から響いてくる和太鼓の音色を思い出した。

たどりついたらいつも雨ふり@雲取山

最初は雷鳴かと思って慌てたあの音だ。
登山中の雷鳴は登山者を恐怖のどん底に叩き落とす。
落雷から免れるために命がけで下山をしないといけないからだ。

ドーンドーンドーン、(ベタベッタ)ドドンがドン(安田大サーカス)。

だいたい↑こんな感じだった。

春樹さんの本を読むときの礼儀として、BGMはビーチボーイズのペットサウンズにしている。
ビーチボーイズはベスト盤以外にこれしか持っていないからだ。

Pet Sounds - ザ・ビーチ・ボーイズ

真冬並みの寒波が襲来している最中だというのに、夏感が溢れすぎていて戸惑ってしまう。
体温調節がきかなくなるんじゃないかという危惧から、今シーズン初の湯たんぽを出したほどだ。


先ほど(夜10時ごろ)今宵一泊お世話になる東京の友人宅を訪ねたところ、子どもの寝かしつけとともに友人が寝入ってしまい、ドアの鍵は閉まっているので、急遽私の訪問に友人が気づくまで時間をつぶす事態に陥ってしまった。

外で待つこと5分、真冬並みの寒さにトイレが近くなり、たまらず来た道を戻った。
まず道中、近くにネットカフェがないか調べたが、2キロ以上離れた場所にしかない。
ビジネスホテルも近くにはない。
これはどうしたものか。

とりあえず24時間営業のファミレスへ入り、残り少なくなったスマホの充電具合を気にしながら、芯まで冷えた身体を温めるべく、ハーブティーをがぶ飲みし、不安な気持ちを落ち着かせるため、途中まで読んでいた「遠い太鼓」のページをめくった。
ちょうど春樹さんが10月末のギリシャのあまりの寒さに根をあげているところだった。
さっきまで心身ともに冷え切っていた私は、この妙なシンクロニシティにひどく感銘を受けたのであった。
(友人宅へは約1時間後、無事に入れました)

↓2014年1月6日現在、フィンランド編まで読み進めました↓
1987年の村上春樹、ヘルシンキでボブ・ディランを観ない、の巻

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