2015年1月6日火曜日

コリン・ウィルソン「現代殺人百科」と THE WHO ロックオペラ「TOMMY」

友人宅の本棚にとても素晴らしい本があったので、
「Sさんもこんな本読むんだね〜」
「とても良い趣味をしているね!」
などと言っていたら、複雑な表情をした友人に「ご、ご、ごめんなさい!」と返された。


コリン・ウィルソンの「現代殺人百科」

その本は、私が友人に貸した本だった。
3年前に貸したことをすっかり忘れていたのだ。
3年の間に2回ほど引っ越しをしていたので、本の1冊や2冊無くなっても気がつきやしないのだ。



友人の趣味に合っていたかどうか定かではないが、無事我が家に生還したコリン・ウィルソンの「現代殺人百科」をパラパラとめくっていると、とても興味深いページを見つけた。
ロック・オペラ「トミー」のタイトルを思わぬところで発見したのだ。
人に貸しておいてなんだが、初めて見るページだった。


孤独な死の解体師デニス・ニルセンとロックオペラ「TOMMY」


1983年2月8日。ロンドン北部の閑静な住宅街にあるアパート。
5日前からトイレが詰まって使えないため、配管工マイク・カトランが呼ばれた。
カトランがこのアパートの排水溝から発見したのは、強烈な腐敗臭を放つおびただしい量の人肉片だった。
下水管に詰まっていたのは最上階に住む37歳の公務員、デニス・ニルセンが殺害して解体した人肉の一部だった。

孤独な連続殺人鬼(死の解体師)の所業は、その後日本国内でおきたいくつかの殺人事件を想起させる。
桐野夏生の小説「OUT」や、園子温監督の映画「冷たい熱帯魚」の元となったあの事件たちだ。
どうでもいい話だが、吉祥寺に住んでいた当時に映画の「OUT」を見たし、蓮見圭一の例の本も読んだ。
ついでに今は蓮見圭一が著したあの事件の舞台となった熊谷に住んでいる。
そう考えるとこの連続バラバラ殺人事件、身近で起きた事件のように思えてくるから不思議だし、ゾッともする。




1983年2月1日。
排水管から大量の腐敗肉が発見される8日前、最後の犠牲者が殺された。
ゴスレット・ヤードのジョージという名の店で拾ったヤク中の男だった。
最後の凶行に及ぶ直前まで殺人鬼ニルセンが聴いていたのが、私も大大大好きな THE WHO のロックオペラ「TOMMY」だった。
ニルセンはTOMMYのアルバム全曲を聴いてから殺人を行ったという。


この事実を踏まえた上で一度「TOMMY」を聴いてみてほしい。
きっと胸がざわざわしてくるはずだ。

Tommy (Remastered 2013) - ザ・フー

こんなことを書いていたら、今日はスッと寝付ける気がしなくなってきた。
自業自得か。

 
ケン・ラッセルの毒々しくも荘厳な世界観は好き嫌いが分かれるところだが、私個人は「さらば青春の光(四重人格)」よりも好きな映画だ。

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