2015年8月30日日曜日

芸人コンビ解散ドッキリで必ず号泣する私は又吉直樹の「火花」でもちろん泣いた

「火花」の話なので、ホステス・クラブ・オールナイターのFFS(フランツ・フェルディナンド+スパークス)の画像を貼るよ。シャレだよ。

もともと純文学から縁遠く、引っ越しジプシーゆえに今本棚にある純文学系の小説が中上健次の「枯木灘」(最凶にして最高。「岬」も良い。次の「地の果て 至上の時」は微妙)と町田康の「くっすん大黒」(傑作中の傑作)のみという体内純文学濃度が著しく薄い人間であるということを踏まえた上での感想ですので、何卒ご了承ください。
でも一応芥川賞受賞作家の中でも阿部和重、川上弘美、笙野頼子とか好きですし、読むときは読むよ、というアピールもしておきます。

さてさてエクスキューズはこのへんにして。
又吉直樹著「火花」を読みました。
そしてもう一方の芥川賞受賞作、羽田圭介著「スクラップ・アンド・ビルド」も読みました。
作家の方々には本当に申し訳ないのですが、文藝春秋9月号Kindle版で…
「スクラップ・アンド・ビルド」もけっこう味わい深くて後引く面白さだったのですが、今回は「火花」の話だけ、ちょこっと。




「芸人コンビ解散ドッキリ」について

さて。芸人のコンビ解散ドッキリってご存じでしょうか?
芸人コンビのうちの(言い方は悪いですが)ヒエラルキー的に上の人間が下の人間を「解散したい」と言って騙すという大変悪趣味な、でも結果ハートウォーミングな(オエっ)大団円を迎える、例のアレです。

私が最初にこのコンビドッキリを見たのはQさまという番組で、今をときめくスピードワゴン編。
この回はオザーさんがキモくて(本当失礼)泣かなかったものの、以降に見たタカアンドトシ編、バナナマン編、南海キャンディーズ編、そしてこのシリーズ最高峰との呼び声高いナイツ編……その全てで、自慢じゃないけど号泣しました。

  1. タカアンドトシ編…仕掛け人:トシ、騙される人:タカ
    タカ「解散なんてありえない。俺はおまえとじゃなきゃできないんだよ」と受け入れず、VTRを見ながらスタジオでも涙するタカ
  2. バナナマン編…仕掛け人:設楽統、騙される人:日村勇紀
    日村「ずっと一緒にいてくれよ」。バラシの瞬間、何度も目元を拭う日村さん
  3. 南海キャンディーズ編…仕掛け人:しずちゃん、騙される人:山ちゃん
    バラシの瞬間、緊張の糸が切れたように泣き出す山ちゃん
  4. ナイツ編…仕掛け人:土屋伸之→塙宣之、騙される人:塙宣之→土屋伸之
    ニセ営業のニセ漫才中、途中からずっと下を向いて泣いていたツッチー。仕掛け人の観覧客もなぜか号泣

南海キャンディーズをのぞいて、基本ヒエラルキー上の人間が下の人間を…という構図です。
中でもとくに手がこんでいるのが最後のナイツ編で、途中から立場が逆転してしまう、いわゆる逆ドッキリという形。
後輩にあたるツッチーが先輩を騙すというのがなんかおかしいな…と思ったらやっぱり!となるやつです。
たぶんこのナイツ編がもっとも号泣率の高い激ヤバな回だった気がします。
著作権的に動画は貼れないので、「解散ドッキリ」 で検索をかけてみてください。
けっこうたくさん出てきますね。

なぜ解散ドッキリの話をしたかというと、小説「火花」の中で一組のコンビが解散を決めて解散漫才をおこなうというシーンがありまして、解散ドッキリでほぼパーフェクトに号泣する私ですから、そのシーンも泣きながら読みました。
ってことを言いたかったわけです。

病的な「コンビ萌え」「バンド萌え」体質

私自身「コンビ萌え」とか「バンド萌え」する体質で、コンビの破綻や、一方の人間の引退、休業等の事件があると、けっこう落ち込んで引きずるタイプなのです。
たとえば記憶にあるところだと「ホーム・チーム」のツッコミ・桧山さんが引退して解散、「キングオブコメディ」高橋さん(パーケン)の痴漢冤罪事件を受けて一時休業、「アンタッチャブル」柴田英嗣(しばんちゃん)突然の休業、そして今に至るまでアンタッチャブルのコンビ活動休止、「ナイティナイン」岡村さんぱっかーん事件でやべっちANN孤軍奮闘からのやべっちANN卒業、そして古くは「フォークダンスDE成子坂」桶田さんバンド活動専念のため解散、からの村田渚さん急逝…このへんでまあまあの心的ダメージを受けました。

キングオブコメディといえば全然別の話になりますが、2010年のキングオブコントのピースとの頂上決戦、あのときもつらかった。
両方とも大好きなコンビだったがゆえに、どちらが勝っても負けてもなんだかつらいという、全然うれしくない大会でしたw
各種の大会で自国選手が優勝して国内ではお祭り騒ぎになってもスケオタDD(誰でも大好き)が手放しに喜べないのと同様、お笑いDDもそういうコンペでは誰が勝ってもつらい思いをするので、DDってやつは考えものですね(真顔)

それでこれは私の人間的にとても至らない、いけないところでもあるのですが、好きなコンビやグループやバンドが解散すると残った人間のソロ活動には一切興味を持てない、という症状があります。もはや病気の域と言ってもよいでしょう。
好きなら応援しろよと思うでしょ?ダメなんです、コンビ(グループ、バンド)じゃなきゃ。
THE WHO もピート・タウンゼントが好きで好きでたまらないのに、ピートのソロ・アルバムなんて2回ぐらい聴いておしまいです。
ピート・タウンゼントとロニー・レインの「ラフミックス」の方はけっこう聴くけど、やっぱりロジャー・ダルトリーに歌わせてこそのピート・タウンゼントなんですよ!!
(関連リンク:“とてもいい映像”こと「The Kids Are Alright /キッズ・アー・オールライト」
どんなに仲が悪くとも、ピーター・フックあってのニューオーダーなんですよ!(もうむりぽ…)

「火花」の感想を一言で表すと…

そういうわけで、ちょっと病的な「コンビ萌え」気質もあるので、コンビ解散や片方だけ休業、という事件にはとても敏感な私なのです。
だから小説とはいえ「火花」の中でコンビ解散の下りにふれる際、実在の漫才師である又吉さんのコンビ「ピース」の解散を勝手に連想してしまって、震えが止まらなくなるほどでした。

「火花」の感想を乱暴に一言で表すなら、
 

「解散なんてドッキリか小説の中だけにしてくれ!」

こんな感じです。
私と同じような症状をお持ちの方には「火花」、オススメです。



■2015年12月27日追記
パーケン(キンコメ高橋)逮捕…
芸歴より長い窃盗歴って一体…
衝撃が大きすぎて年内いっぱいは、いや、もっと引きずりそうです…
今野さん真田丸にも出るんだ。すごいなあ…

■2015年12月31日追記
やっぱり書かずにはいられませんでした
「コンビは二枚貝」キングオブコメディ高橋の「貝という名のもとに」より

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