2013年6月3日月曜日

「群馬最大の名瀑」は本当か?船尾滝ハイキング

片品渓谷 吹割の滝
別名「東洋のナイアガラ」
群馬県沼田市利根村の片品渓谷にある吹割の滝

ある人は言う。
「群馬最大の名瀑、船尾滝は大迫力!」と

またある人は言う。
「船尾滝?名瀑って言われて行くと……アレだよね」



そこまで評価が分かれるのはなぜなのか。
水沢山登山の日(〆はうどんの水沢山登山レコード)に水沢観音寺で看板を見かけた時から気になっていた噂の「船尾滝」(ふなおだき)を見るため、北群馬郡は吉岡町上野田の森の奥へと向かった。

船尾像と船尾滝



5月28日 群馬県南部北部、ともに曇り。
天気予報では夕方から雨。
時間がかかる登山だと危険な空模様だが、森林散策ぐらいならまずまずの天気といえるだろう。


10:55
散策路入口の駐車場に到着。
立ち入り禁止のエリアから警察の鑑識官のような出で立ちの人が何人か降りてきた。
何か事件でもあったのだろうか?
だが私たち(例のごとく私と父)に特に声をかけるでもなく咎めるでもなくそそくさと立ち去って行った。
謎である。



周辺に自販機などはない。
そのため船尾滝から最寄りのコンビニ、我らがセーブオン吉岡上野田店まで一旦引き返す。
セーブオン、それは群馬県民にとってのセブンイレブン。群馬県民にとっての街のホッとステーション。これ以上は語るまい。




船尾滝案内図を拡大。
車両が通行できるのは駐車場までとなっているが、父いわく20年か30年前までは東屋あたりまで車両も入り放題だったとか。
通行止めになったのは景観保護や環境保全のためだろうか。




 10:57
船尾滝まで30分の看板。
他には恒例の「熊出没注意」の看板も。



 10:58
長らく車向けに舗装されたつづら折りの道が続く。
期待していたハイキング感は若干薄めだ。





 11:10
入口からわずか13分で「船尾滝までは石段を登って約5分です」の看板が。
入口の徒歩30分という表示は何だったのか。



 11:11
新緑のまぶしい季節がやってきたことが実感できる散策路。
おそらくこの辺りで足首を何かの虫に刺される。が、長らく気がつかなかった。




11:12
噂の船尾滝が見えてきた。
事前に父から「小さいぞ」と聞かされていたが、なるほど。小さい。



 11:15
滝沢川にかかる「おんべ氷橋」。



11:16
おんべ氷橋から見える船尾滝。かすかに枝垂れた藤の花が見えて風流だ。
おんべ氷橋の先は通行止めとなっていたため、船尾滝に近づけるのはここまでだ。
こちらも数十年前まではもう少し近くまで行けたらしい。

何はなくとも片品渓谷の「吹割の滝」を差しおいて、この船尾滝を「群馬最大の名瀑」と称するのは明らかに言いすぎだ。
あの謳い文句をつけた人は実物を見たことがないのではないかという疑念すら湧いてくる。
しかし吹割の滝の「東洋のナイアガラ」も言いすぎている感は否めない。

NIAGARA TRIANGLE Vol.1 - 山下 達郎 伊藤 銀次 大滝 詠一
ナイアガラといえばトライアングル

参考までに、 船尾滝にもっと近づいた人の記事を紹介しておこう。
当記事より遥かに迫力のある船尾滝の写真が掲載されている。

もう少し近づけばなかなかの風景が見られるらしいが、落石が多く橋が壊れているため立入禁止だったようだ。近づく場合は自己責任で。



滝の近くには小さな東屋が。
ハイキング中の休憩場所として最適だ。


 11:24
石段の手前にある静恩像。読み方は不明。
由来の石碑に書かれた文字情報から昭和63年に作られたものだと思われる。


船尾像と船尾滝

11:28
こちらの「船尾像」は平成2年建造とのこと。
車両通行止めになったのも建造と同時期の2〜30年前のことなので、この頃に船尾滝一帯の観光活性化の動きが強まったものと思われる。
環境保全や景観保護を考慮しつつこれらの像を建てたのだろう。



船尾像の反対側に小さく船尾滝がちょろちょろと流れる様子が見える。おわかりいただけただろうか。


11:45
滝と二つの像の周りを散策しても往復50分とかからなかった。
なぜ「徒歩30分」と脅すのか。いや、脅しというわけではないだろうが。一体なぜ。



駐車場のだいぶ手前にあるログハウス風の公衆トイレ。
広い多目的トイレ(洋式)ありなのが有り難い。
この時だけかもしれないが、トイレットペーパーが柔らかかった。
これも有り難い。


本当は滝近くの東屋で昼食にしたかったが、尿意が我慢できずにこちらに寄ったため、だいぶ下ってきてしまった。
せっかくなので途中で見つけた「船尾バーベキュー広場」(吉岡町船尾自然公園)で持参した母特製のおにぎりを食べることにした。



バーベキュー広場の内部。


本格的な火をくべるバーベキュー炉があった。
屋根の下なので万が一雨が降ってきても安心だ。



水場も充実している。野菜を洗ったり切ったりもできそうだ。



木製ベンチに腰掛けながらバーベキューを楽しむこともできそうだ。


「船尾バーベキュー広場」の看板が掲示されたトイレ棟。
残念ながらすべて和式だった。


管理棟。この日は平日だったので棟内は無人だった。


土日祝日のバーベキュー施設の利用はこの管理棟で申請、平日は吉岡町役場産業課で申請が必要とのこと。もちろん無断使用は禁止。
なお当日のみの申請で事前予約は不可だそうだ。
吉岡町船尾自然公園(群馬県北群馬郡吉岡町)


このバーベキュー広場が利用できるのは4月初旬から11月下旬までとのこと。
利用希望者は必ず事前に吉岡町役場に確認することをおすすめする。


家に帰ってきてからスパッツ(山用ではない)と靴下とのわずかなすき間に出血したような痕跡が見つかり「なんだかなー」と適当に放置していたら、翌日からその痕が熱を帯びはじめ、猛烈に痛くなってきた。
散策した日からすでに5日以上経った現在、痛みは引いたものの未だに痒さは残っている。
ほんのわずかな肌の露出がここまで仇になるとは思ってもいなかった。
なんだかなー。

あれ、これってまさかヤマビルにやられた?
「ヤマビル 症状」で調べたら、そんな気が…
こんなところにヤマビルがいるなんて!!!

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