マンナンライフの蒟蒻畑のパッケージには「お子様や高齢者の方はたべないでください」とイラスト入りで大きく注意書きがしてある。ここまで書かないといけないのか? これでいいのか? 皆、正気なのか?
理不尽。
我が愛おしの群馬名物「こんにゃくゼリー」を取り巻く環境は、この何年かは、
理不尽。
としか言いようがない。
例えば。
時流にうまく乗って実力以上の地位を手にして脚光を浴び、のちにほころびを見せ始めた難聴の音楽家Sや世界的な女性細胞研究者Oを、かつて持ち上げてしまったがゆえの「気恥ずかしさ」半分と「妬み」半分のいやらしい気持ちを押し隠し、霞のように曖昧な僅かばかりの正義感を大上段に振りかざして、縁もゆかりも無いのに親の仇のごとく叩き潰す、あの事案を彷彿とさせる理不尽さにも似ている。
というのは少し言い過ぎかもしれないが、いじめやいいがかりにも等しい物言いで、マイスイート・リトルハニー「こんにゃくゼリー」は、今日において不当な地位に追い詰められている。
私はこの記事で、群馬名物「こんにゃくゼリー」の復権を訴えたい。
名誉回復への一歩を進めるために、こんにゃくゼリーが追い詰められてしまったきっかけとなる窒息事故について、改めて考えてみようと思う。
事故率低いよ、こんにゃくゼリー
まず「こんにゃくゼリー」の窒息事故についておさらいしよう。2006年の厚生労働省による窒息事故に関する調査報告を見てみる。
国民生活センターによる2008年7月の死亡事故報告(凍らせたこんにゃくゼリーによる事故)
またひとり こんにゃく入りゼリーで死亡-子どもや高齢者に絶対に与えない!-国民生活センター
この記事によると1995年7月から2008年7月の当該事件まで死亡事故発生数は17件となっている。
被害者の年齢は、1歳が3人、2歳が2人、4歳が1人、6歳と7歳がそれぞれ2人、68歳以上の高齢者が6人。
そして中年である41歳が1人、という結果には要注目なのだが、これは様々な不幸が重なった特例なのではないかという気がする。
いくつかの例を見ると、凍らせたものを与えた事例が多いことに気がつく。
嚥下や咀嚼力が弱い乳幼児や高齢者にとって、こんにゃくゼリーが凍った状態は少々危険かもしれない。
カップゼリーを凍らせて食べることはよくあるが、通常のゼリーよりも弾力性が強いこんにゃくゼリーを凍らせる場合は注意が必要だ。
ちょっと目を離した隙にすぐに物を口にいれてしまう乳児がいる家庭に凍ったこんにゃくゼリーを置いておくのはおすすめしない。
続いて厚生労働省の食品窒息事故のデータを見てみる。
救命救急センター調査では2006年の一年間の食品による窒息事故は603例発生し、半数以上の378例が死亡に至ったという(厚生労働省:「食品による窒息の現状把握と原因分析」調査について)。
2006年のこんにゃくゼリーによる窒息死亡事故は4歳男児と79歳男性の2件なので、食品全体の窒息死亡事故件数のうち、わずか0.5%がこんにゃくゼリーによる事故である。
私が想像していたよりはるかに低い結果だ。
以下、同じ参照元からこんにゃくゼリーより危険な食品のランキングを算出したGIGAZINEから引用する。
「こんにゃく入りゼリー」よりものどに詰まって死亡した件数が多い危険な食べ物ベスト10は以下の通り。意味がないような気もしますが、こんにゃく入りゼリーの2例と比較して何例かを計算し、何倍危険かも示してあります。
1位:もち(168例、「こんにゃく入りゼリー」の84倍危険)
2位:パン(90例、「こんにゃく入りゼリー」の45倍危険)
3位:ご飯(89例、「こんにゃく入りゼリー」の44.5倍危険)
4位:すし(41例、「こんにゃく入りゼリー」の20.5倍危険)
5位:あめ(28例、「こんにゃく入りゼリー」の14倍危険)
6位:だんご(23例、「こんにゃく入りゼリー」の11.5倍危険)
7位:おかゆ(22例、「こんにゃく入りゼリー」の11倍危険)
8位:流動食(21例、「こんにゃく入りゼリー」の10.5倍危険)
9位:カップ入りゼリー(11例、「こんにゃく入りゼリー」の5.5倍危険)
10位:ゼリー&しらたき(それぞれ4例、「こんにゃく入りゼリー」の2倍危険)
※こんにゃく入りゼリーの方が、ご飯などと比較して口にする割合が少ないので、「ご飯はこんにゃく入りゼリーよりもはるかに高い危険が食事のたびに付きまとっている」わけではないです。
「こんにゃく入りゼリー」よりものどに詰まって死亡した件数が多い危険な食べ物ベスト10 - GIGAZINE
上記の記事は2008年に書かれたものである。
10位にランクインしている「ゼリー&しらたき」については2014年現在、検索しても情報が見つからなかった。規制されて販売中止になったのだろうか。
以上のようなことから、こんにゃくゼリーがいかに目の敵にされているか、ある程度はおわかりいただけたのではないかと思う。
ついでに。
こんにゃくゼリー、というかマンナンライフの蒟蒻畑規制の急先鋒となったとある議員ととある企業との黒い噂についての記事もここに掲載しておこう。
私自身この噂について他に何らかの確証を掴んでいるわけでもないので「あくまで噂です」とだけ先にお断りしておく。
こんにゃく畑を販売中止に追い込んだ国会議員「野田聖子」
これをどう考えるかは個々の判断にお任せする。
こんにゃくゼリーの放射性物質検査結果について
もうひとつの重要懸念事項を明らかにしておきたい。2011年3月の原発事故以降、懸念している人も多いと思われる「放射性物質含有量」についてだ。
こんにゃくゼリーの原料となるコンニャク芋は、土中の放射性物質が移行しやすい野菜の一つである。
私自身、事故後に放射性物質が移行しやすい食品や比較的含有しにくい食品などを片っ端から調べ、一時期こんにゃくゼリーを敬遠していた時期があった。
しかし(前述のこんにゃくゼリー規制騒動で槍玉に上げられていた)こんにゃくゼリー販売最大手の「マンナンライフ」では事故直後から毎日放射性物質検査を行っており、WEB上で結果を公表していることを知ってからは、気にせずに口にするようになった。
株式会社マンナンライフ|蒟蒻畑 放射性物質検査結果
(検出限界値は25Bq、現状すべて不検出となっている)
そもそもゼリーの成分のほとんどがコンニャク芋ではなく果汁(海外産)なのだから、我ながら「よく考えてから行動しろ」と言いたい。
食品に含まれる放射性物質について、私の考えの一部を下記ブログでふれているのでご参照ください。
「チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド」を読んで、群馬について考えたこと|伊香保温泉図鑑
結論:こんにゃくゼリーは怖くない
私からすると「乳幼児や高齢者にこんにゃくゼリーを食べさせるな」という注意はいささか乱暴に思える。断言できることといえば「凍った状態で食べさせると少し危険だ」ぐらいのものだろう。
さてさて。
ここまで読んでもまだ「こんにゃくゼリーは怖い」と言えるだろうか。
え、まだ怖い? それは残念だな……。
ん? まんじゅうも怖い!? ついでにお茶も怖い?
君はなんて厚かましい人間なんだ!
■昭和の名人・志ん生による古典落語の名作「まんじゅうこわい」
まんじゅうこわい(@S33.10.23 ニッポン放送「お楽しみ演芸会」) - 五代目 古今亭志ん生 名演集 つるつる/まんじゅうこわい
0 件のコメント:
コメントを投稿