1日目の無邪気だったころ。燧ヶ岳を前にヤマネチ
以前積雪期の日光白根山に登った面々で、今度は燧ヶ岳に登るつもりで尾瀬へ行ってきた。
しかし山行時間の計算ミスと風雨で燧ヶ岳ピークハントは断念。
今回はそのときのダメレコだ。
父が語る、ダメな尾瀬の思い出
大清水の大きな駐車場にYさんの車を止め、9時ぐらいに尾瀬沼へ向けて出発。
一ノ瀬休憩所までは↑のような車道歩きが続く。
この一ノ瀬までの車道の写真を見ると、父から聞いた尾瀬の話を思い出す。
40年ほど前の水芭蕉シーズン最盛期。
当時から車両通行止めだったこの道を、父の悪友が「大丈夫じゃねんきゃ(上州弁)」などと言いながら車で突っ走って行ったが、一ノ瀬で小屋主か工事業者に見つかり、こっぴどく叱られた。
父たちは一ノ瀬の手前でちゃっかり途中下車して他人のふりをし、運転手だけが大清水へ戻り、さらに鳩待峠(現在シーズン中は規制あり)で駐車して尾瀬入り。
その晩やっと元長蔵小屋で合流した父たちは、すし詰め状態の大部屋で見知らぬ女性客と背中合わせの状態で雑魚寝。
翌日は三条ノ滝などを見て一同鳩待峠に戻ったところ、タイヤのホイールキャップを4本分全て盗まれていた、という悲惨な話だ。
因果応報というべきなのかなんなのか。
(父らを叱った人以外の)登場人物全員ダメである。
天然なめこが絶品!
そして噂の一ノ瀬休憩所。
看板の文字が達筆でかっこいい。
冷えたきゅうりとトマトはそれぞれ100円。
しかしここ尾瀬はすでにだいぶ秋が深まりつつある。
山での生野菜はとても有り難いが、身体が冷えそうなので遠慮した。
ホットコーヒーを注文したところ、サービスということで「きのこの刺し身」をいただく。
しめじや舞茸のほか、奥に隠れている大きな天然なめこのツルツルした舌触りと独特の食感が大変おいしかった。
一ノ瀬の先の「岩清水」。
こんこんと湧き出る天然水の味は不思議なことに甘みがあった。
大清水から2時間とちょっとで尾瀬沼の南岸・三平下に到着。
オープンエアな尾瀬沼休憩所で一休み。
西岸を通って沼尻休憩所までやってきた。
吹き抜ける風が心地よい、見晴らしの良いスペースだ。
でもやっぱり10月初旬の尾瀬の風は寒いので奥のほうに移動。
ビールやチューハイも冷えている。
登山帰りの一杯には持ってこいだ。
ただし一番近い東岸の長蔵小屋や尾瀬沼ヒュッテ、南岸の尾瀬沼山荘へは最低でも1時間はかかるので飲み過ぎには注意が必要。
オンダシ、朝湖湿原、大江湿原を通って長蔵小屋方面へ。
大江湿原については次回の燧ヶ岳リベンジソロ登山で詳しく触れたい。
めちゃくちゃきれいなお風呂の写真に惹かれるも、いつも予約がいっぱいな尾瀬沼ヒュッテのウッドデッキ。
燧ヶ岳にだいぶ雲がかかってきたのがわかる。
尾瀬沼ヒュッテ前の大望遠鏡から燧ヶ岳方面を覗くと、紅葉した木々がはっきりと見ることができた。
I♥長蔵小屋
長蔵小屋にチェックイン。
幸いにも我ら3人のみの完全個室だった。
二重窓の間に登山靴と濡れたものを干すスペースがある。
乾燥室もあるので大物はそちらで。
愛すべき長蔵小屋についてはまたの機会に個別で記事にしたいと思う。
長蔵小屋関係のタイポについてはこちら↓
尾瀬のタイポさんぽ(長蔵小屋編)
囲炉裏端を再現したかのようなオリジナル手ぬぐい(右)に一目惚れするも、この日は品切れ。
そして後日無事入手に成功!
元長蔵小屋から窓の向こうの紅葉を望む。
暮れなずむ尾瀬沼。
40年以上前にボートと釣りが廃止された尾瀬沼に残る数少ないボート置き場。
おそらく観測用か何かの業務ボートだと思われる。
燃える尾瀬沼湖面と燧ヶ岳。
所要時間の計算ミス発覚!!
小屋に戻って「山と高原地図・尾瀬版」を広げる。と、ここで思わぬ事実が発覚。
事前に調べていた所要時間と、地図で確認できる所要時間に大幅なズレがあったのだ。
事前に調べた時点では、
長蔵小屋→長英新道で燧ヶ岳山頂→長蔵小屋→大清水…トータル9時間半
ところが印刷版を何度見て何度計算しても、
長蔵小屋→燧ヶ岳山頂→長蔵小屋→大清水…トータル11時間半
同行のSちゃんが計算しても11時間半には変わりない。
帰りをナデッ窪経由にして西岸から帰っても11時間。
朝5時半に出発したとしても、大清水に着くのはノンストップで最短でも夕方の5時。
もちろん休憩を入れたら18時、19時になる…
「やっべ、何度計算しても11時間半じゃないか!なんでだーー!」
なぜこんな計算ミスをしたのか。
それは純正ケーブル忘れで充電不足に陥り、山行前に沈黙してしまった我がiPhone5だけが知っていた。
印刷版とアプリ版は所要時間が違う!?
App版の「山と高原地図・尾瀬版」と紙の印刷版とでは所要時間がかなり違うのだ。至仏山の経路に差違は見られないのだが、燧ヶ岳の長英新道とナデッ窪の登りの所要時間がそれぞれ1時間も違う。
ナデッ窪登りは紙版が3時間、アプリ版が2時間。
長英新道登りは紙版が3時間半、アプリ版が2時間半。
なぜこんなに違うんだ!!
山と高原地図 - MAPPLE ON, Co., Ltd.
尾瀬沼ビジターセンターで入手した天気情報によれば、翌日は昼から雨が降るので眺望も最悪になりそう、ということだった。
「ピークハント、やめませんか…(震え声)」
長蔵小屋本館八番の部屋で、私は寂しく呟いた。
Sちゃん「で、ですねえ…(小声)」
Yさん「わかったwww」
雨脚強まる尾瀬ヶ原
翌朝。
まだ少し燧ヶ岳に未練のある我々は朝日がうっすらと差す中、長蔵小屋を出発。
早朝の沼尻休憩所にて、長蔵小屋で握ってもらった朝ごはんのおにぎりを食す。
左が梅しそにぎり、右が梅干しにぎり、奥にしんしんのお漬物、魚肉ソーセージ。
普段白飯をあまり食べないので一個半まで食べたところでデカ握り完食ギブアップ。
Yさんはナデッ窪方面を見ながら「今ならまだ登れるよwww」と名残惜しそうにしていた。
あの時の私は、うまく笑えていただろうか。
たぶん妖怪みたいな笑い方をしていたんじゃないだろうか。
モヤモヤな白砂田代にて。
たぶんイヨドマリ沢。
見晴の無料休憩所にて。
昼から雨と聞いていたものの7時すぎたあたりから小雨になってきたので中に入りホットコーヒーをいただく。
Sちゃんが注文したチャイ。
おしゃれなチャイをおしゃれに撮れず。
登頂していない山の登山バッチは買わない。という自分ルールがあるので、代わりにおこじょのピンバッチを購入。
雨のそぼ降る見晴をバックにSちゃんがYさんを撮る、の図。
雨粒が次第に大きくなり、顔に当たる勢いが徐々に強くなっていく。
寒さのせいか、ピントもだんだん合わなくなっていく。
このYさんはかなり怖い。
おひさしブリーフ
SNSに載せたところ、複数の人から「右の人、彼氏?」と問い合わせが。
俺だよ、俺自身だよ。
レインウェアの色がいけないのか?
花豆ソフトは大清水で食べるのが正解!
登山客や日帰り客でごった返す山ノ鼻で、一年越しの念願だった花豆ソフトクリームを食す。
甘さ控えめな上品な味だ。
実は味より寒さの方が際立ってしまい、ソフトクリームどころではなかったのが本当のところ。
とにかく食べるタイミングを完全に間違った。
それから、我ら女子たちが食べた山ノ鼻とYさんが食べた大清水では100円の差額があった。
歩荷などの運送費を考えれば当然である。
雨で冷えきった身体をときほぐすため、日光白根登山の帰りにも寄った「なぜこんなど田舎にこんな立派な施設が!」感がすごい「花の駅片品 花咲の湯」へ直行した。
↑はSちゃんが頼んだ地元片品で採れたさまざまな野菜がたっぷりのった野菜カレー。
私が頼んだのはジューシーな舞茸ともちもちのピザ生地が絶品な「舞茸ピザ」だったが、写真があまりに汚いのでのせるのはやめておく。
今回の敗因は二つ。
↑はSちゃんが頼んだ地元片品で採れたさまざまな野菜がたっぷりのった野菜カレー。
私が頼んだのはジューシーな舞茸ともちもちのピザ生地が絶品な「舞茸ピザ」だったが、写真があまりに汚いのでのせるのはやめておく。
今回の敗因は二つ。
- 二日目は一日雨で風も強かった
- 山と高原地図の紙版とアプリ版の所要時間が大幅に違った
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