右上:Jaime Humphreys ジェイミ・ハンフリーズ「Lie of the Land」
左下:石坂孝雄「とたんにトタンハウス in 伊参スタジオ」
ほか二作品は本文で触れています。
今月12日から来月12日まで約1ヶ月間に渡って群馬県・中之条町で開催される山村型アートフェス「中之条ビエンナーレ 2015」に今年も行ってきました。
隔年開催なのでおよそ2年ぶりとなります。
■前回のレポ
中之条ビエンナーレ2013と中之条タイポさんぽ(タイポというよりVOWさんぽに近い…)
前回は徒歩参加のため中之条駅周辺の伊勢町エリアしか回れなかったのですが、今回は伊参(いさま)スタジオのある伊参エリアのみの散策です。
しかもシルバーウィークが重なって混雑していたのと、車を出してくれた両親の意向で、「伊参スタジオ」と「道の駅 霊山たけやま」と伊勢町・伊参にはさまれたエキシビジョン開催地「花の駅 美野原」の3ポイントしか行けていません。
広大なエリアのごく一部しか回れなかったので、日を改めてまたお邪魔したいと思っています。
■映画「眠る男」ロケ地・伊参(いさま)スタジオ
まずは中之条町立旧第四小学校の木造校舎と体育館を改造した「伊参スタジオ」から。味わいのあるレトロな木造校舎の入り口にある下駄箱に靴をあずけ、ちょっとした授業参観、もしくは投票所気分でスリッパで入場。
映画「眠る男」で主人公・役所広司がまさに眠っていた場所にも展示が。
林麻依子 Maiko Hayashi さん作「空渡る月を詠む」(A Poem about the Moon Crossing the Sky)という作品。
手前には白い犬がくったりと横たわり、奥にいる黒猫はこちらの様子をじっとうかがっているようです。床の間には白い花瓶のようなオブジェがあります。
周囲の静けさも相まって、時の流れがピタっと止まったような、妙な感覚をおぼえました。
原口比奈子 Hinako Haraguchi さんの「即興と変奏」(Improvisation and Variation)。壁面の線はマッキーで描かれたものらしいです。
小野崎理香 Rika Onozaki さん作「蔟(まぶし)の教室」(Mabushi)。
時空の裂け目?かと思いきや、子どもたちが卒業して殻を破ったあとらしく、夢に出てきそうな風景だなあと思いました。
スイミー?かと思いきや。
真横から見た図。
場所によってさまざまな形に見えるので何枚も撮ってしまいました。
羽のような素材でできており、写真からもふんわりとした羽の質感とともに作品の繊細さが伝わってくるようです。
窓がしまっているとはいえ、風が強い日じゃなくてよかった!
現場でお名前と作品名を確認できなかったので、家に帰っていろいろ検索してみたところ、戸島大輔 Daisuke Toshima さんの「Slow ballad」という作品だったことがわかりました。
木造の床に差す薄い光と、白い羽根とのコントラストがかなりいい雰囲気。
山村の秋の清々しい空気との相性がぴったりな作品でした。
小学校の廊下ってこんなに狭かったでしたっけ?
伊参スタジオの一部の教室では映画「眠る男」のほか、「月とキャベツ」の資料などを常設している模様。
山崎まさよしファンの方はぜひ足をお運びください。
校庭の片隅には不思議な形の庶民的な雰囲気を醸し出しているお地蔵さんが座っていました。
山口信哉 Nobuya Yamaguchi さん作「倍音のへそ」(Overtone Navel)。
人の出入りが激しかったので中には入らなかったのですが、スティールパンのような心地のよい音色がほこらの外まで響いてきていました。
太鼓のような楽器が中に設置してあったのでしょうか?
■道の駅 霊山たけやま
クリスマスのイルミネーションで点灯する「道の駅 霊山たけやま」の電球が目印。
一度でいいから登ってみたい嵩山
中之条の名所・嵩山の麓にある道の駅「霊山たけやま」へ。
こちらでも中之条ビエンナーレの展示がいくつかありました。
飽きっぽい両親を道の駅の野菜でおびき寄せ、買い物に夢中にさせているあいだ、私は一人でサササーっと展示場を回ってきました。
中澤小智子 Sachiko Nakazawa さんの「点」(Point)。
メタリックな茶室の扉を締めると、鏡面のようになった室内のたわんだ壁に無数の自分の顔が映るようです。
落ち着くような落ち着かないような。シュールな茶室ですね。
糸井潤 Jun Itoi さんの「Topology」
嵩山の東登山口の東屋脇にある小さなフリースペースにはこんな作品が。
地元中之条出身の造形作家・齋木三男さんの作品だと思います。
ビー玉のような透明で丸い石が埋め込まれた石に囲われた一本の木と、その周辺に集まる小さな石たち。
ご神木として崇めているのか、集会中なのか、謎です。
作品名はわからず。
■番外編・花の駅 美野原(みのはら)
ぐんまちゃんとりんご。親の前なので顔ハメせず
エキシビジョン会場の「花の駅美野原」へ。
以前の名称は「薬王院」といい、漢方薬用の薬草やハーブを育てていた施設らしいです。
春は桃や菜の花や山ツツジなどが咲き、今の季節は彼岸花やコスモス、冬は福寿草などが咲くそうです。
りんご園もあるのですが、りんご狩りができるのかは謎です。
先日飯能の温泉施設に取材に行った際、巾着田の曼珠沙華の話をしたのを思い出しました。
巾着田にはかないませんが、美野原の曼珠沙華もなかなかきれいです。
秋の青い空に曼珠沙華の赤が映えます。まさにお彼岸の今が見頃なんですね。
月と太陽をかたどった陰陽池の前で蜜を吸う蝶を激写。花の名前も蝶の名前もわかりません…
花の駅美野原入り口に展示された高崎在住の上原菜摘さんの作品。
5月に開催された「花とみどりのぐんまづくり in 中之条」というイベントの中で花をテーマにして制作されたものだそうです。
春を感じさせる彩りですね。
伊参エリアはほかに旧五反田学校、旧伊参小学校・古民家、JAあがつま倉庫、岩本上古民家・開拓地、大道公民館、冨沢家住宅などの展示場があり、その中でも岩本開拓地内の「イノシシプロジェクト/丘を超えて行こうよ」が今日の上毛新聞・文化欄でも紹介されていました。
中之条ビエンナーレ公式リーフレットの表紙にもなっているので見覚えがある人も多いのではないかと思います。
こちらの作品もぜひ生で見てみたいです。
「イノシシプロジェクト/丘を超えて行こうよ」の作家・飯沢康輔さんの公式サイト
kohsuke.iizawa website
中之条ビエンナーレは来月12日までの開催なので、時間が許すかぎり、現地に足を運びたいと思っています。
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