2016年6月25日土曜日

【八ヶ岳登山1日目】モクモク硫黄岳・ステーキ赤岳鉱泉

4月の雪山トレッキングで惚れてしまった山小屋「赤岳鉱泉」に泊まりたくて、梅雨の晴れ間を狙ってまたまた赤岳に行ってきました。

前回→【残雪期】赤岳鉱泉のステーキ&雪山登山レコ

今回は1日目に硫黄岳、2日目に行者小屋を経由して赤岳への登山です。
二つの山に登るのなら、横岳も入れて縦走したほうが効率的なのですが、それじゃ赤岳鉱泉へ行けないじゃないか!ということで赤岳鉱泉をベースに「登って下りて」をしてきました。

硫黄岳山頂から赤岳、中岳、阿弥陀岳方面を望む
硫黄岳山頂から赤岳、中岳、阿弥陀岳方面を望む


記録に残しておきたいポイントをあげてみると、そこそこの分量になりそうなので、1日目を「硫黄岳と赤岳鉱泉編」、2日目を「赤岳とダイアモックス感想編」とに分けます。

【1日目 硫黄岳登山】

  • 堰堤広場アブに注意!
  • だだっ広い・ケルンがいっぱい硫黄岳山頂
  • ちょっと煙が出ていた硫黄岳の爆裂火口
  • 何を食べても美味しすぎる赤岳鉱泉
  • お風呂もすごい!赤岳鉱泉


【2日目 赤岳登山】

  • 天空のお花畑がすごい赤岳
  • 大パノラマと雲海と富士山が見えた赤岳山頂
  • 行者小屋→美濃戸(南沢)下りが山行中一番つらい
  • ダイアモックス効果がすごすぎて怖い
  • 梅雨登山は家に帰ってからが本番


では1日目から、はじめまーす。

美濃戸口→美濃戸までのデコボコ林道は車で移動



東京を早朝5時半に出発し、事前予約した「やまのこ村」の駐車場には9時すぎに到着。
登山口の美濃戸口から美濃戸まで車で行けると、林道歩きを1時間も短縮できるので助かります。

やまのこ村の駐車場予約には事前に郵便口座への振り込みをしておくが必要あり、手数料(最大518円とかかな?)をおさえるのには自分の郵便口座が必要らしく、勝手がわからなかったので2日に渡って郵便局へ行くことになってしまい、地味に大変でした。
駐車場を予約したい人は、事前に郵便口座を作っておくと手間がなくていいですよ。

それはさておき、美濃戸口から美濃戸までの林道は、直近の一週間で豪雨と冬季凍結対策として整備工事が行なわれたそうです。
とはいえ相変わらずデコボコで、車高が若干低めなYさんの乗用車(別にヤン車とかじゃない)だとけっこうギリギリな感じで、道中ドキドキしっぱなしでした。
雨が降っていたらアウトだったろうとのことです。
美濃戸まで車で入ろうとお考えの方はご注意されたし。

堰堤広場でアブに刺されまくる


よく晴れた堰堤広場

美濃戸から1時間くらいで堰堤広場へ到着。
冬に来た時と同じか、それ以上に時間がかかったのは暑さゆえでしょうか。

綿毛が飛んでる堰堤広場

綿毛のようなフワフワとした白いものがたくさん飛んでいます。わかるかな?
おそらくユキヤナギではないかと思います。

そして今山行の中で一つ目のハプニング!
この角度から写真を撮影していた最中に、足を何箇所もアブに刺されるという緊急事態が発生しました。
知らないうちに入っちゃいけない場所に突入してしまったらしく、しつこく追いかけられて、黒タイツ(モンベルのメリノタイツ)の上から何度もやられました。
しかも他に休憩していた人やメンバーは無傷で、突入してしまった私だけを狙い、黒い色のところを執拗に刺してくるのが特徴的でした。

アブに絶賛刺され中
絶賛刺され中


その後もアブの攻撃が怖いので、黒の面積を減らすべくタイツを半分以上まくりあげながら赤岳鉱泉まで行くことにしました。泣けた( ;∀;)。



登山道は高山植物の宝庫


イワカガミその1

道中見つけた可憐なイワカガミ。
イワカガミだけはっきりと名前を憶えている高山植物です。

名も知らぬキノコ

キノコの姿も見かけました。相変わらず名前がわかりません。

大同心が見えてきた

しばらくすると横岳の大同心が見えてきました。今日もかっこいいよ大同心!

アイスキャンディーが完全に溶けている赤岳鉱泉

11時半すぎに赤岳鉱泉着。
すでにテント場は賑わっています!
人工氷壁アイスキャンディーの残骸の中に、雪がわずかに残っていたのが印象的でした。

赤岳鉱泉の自炊室

お昼休憩は赤岳鉱泉の自炊室を利用させてもらいました。
マンガ「孤高の人」もありましたよ。

赤岳鉱泉から硫黄岳に出発

梅雨シーズン中ということもあってか、赤岳鉱泉はそれほど混雑しておらず、今回も個室を取ることができました。
チェックインし、荷物を少し減らして、12時45分ごろには硫黄岳に向かって出発しました。


硫黄岳のケルンの多さに「日本百名山」八ヶ岳の項を思い出す


イワカガミその2

さっき見たイワカガミより色が濃い!

硫黄岳の森林限界あたり

樹林帯歩きは景色があまりおもしろくないので、ほとんど撮影していません。
これは2,600mぐらいのちょうど森林限界を超えたところの写真で、ハイマツが目立ちます。
14時ごろには硫黄岳の頂上らしき景色が見えてきました。

赤岩の頭

14時10分ごろ、最初のチェックポイント「赤岩の頭」に到着。

赤岩の頭から硫黄岳山頂方面

さすが硫黄岳というだけあって山肌の一部が黄色い!
山頂はもうすぐですが、トレイルミックス食べたりなんだり、ちょっといっぷく。

硫黄岳のケルン

硫黄岳の登山道や山頂には、こんなケルンがたくさん並んでいます。

硫黄岳は緩やかな登りがほとんどで、山頂も登山道もとにかくだだっ広いのですが、鋭く切れ落ちた特徴的な山体ゆえ「ガス」が出てくると危険なため、このようなケルンがたくさん並んでいるのだと思います。

深田久弥の「日本百名山」でも、八ヶ岳縦走の最後に硫黄岳で友人が墜落死するというカタストロフィー(悲劇的結末)があった、との記述があります。
おそらくそのときの硫黄岳は雲の中にあり、ケルンもほとんど建っていなかったのではないでしょうか。


謎の高山植物

断崖絶壁の中にもこんな色鮮やかなお花が。
おそらくミヤマシオガマ。


広すぎる&爆裂してる!硫黄岳山頂

広大な硫黄岳山頂

14時40分ごろ、硫黄岳山頂に到着!
たくさんの人出なのに持て余してしまうほどの広大さです。
レジャーシートをしいて寝そべるお子さんの姿もちらほら。
危険箇所がほとんどない登山道とこの広さなら、親子ハイキングにもちょうどいいかもしれません。

爆裂火口

着きましたー!爆裂火口はやっぱりすごい!

硫黄岳から横岳、赤岳、阿弥陀岳方面

山頂から明日行く方向を眺めます。
左のギザギザしたのが横岳、手前の奇岩ぽいのが大同心、ちょっと奥のが小同心、真ん中のもりっとしたひときわ目立つのが赤岳、その右が中岳、隣が阿弥陀岳、中岳の奥にあるのは権現岳、三ツ頭とかだと思います。

飛行機雲が見えるので今日はいいお天気が続きそう。
明日もこのままもってくれるといいなあ。(もちませんでしたね。。)


爆裂火口からヒュッテ夏沢方面

超爆裂してます!

硫黄岳に登ってくる途中「爆裂火口」の話になり、その中で「爆裂兄弟レッツ&ゴーっていましたね」とメンバーのSさんが発言。
あったあった。そんな四駆アニメ、あったわー。

レッツ&ゴーはともかく、あの青い屋根は「ヒュッテ夏沢」のようです。
ヒュッテ夏沢や山びこ山荘がある夏沢峠から向こうが北八ヶ岳、こちらが南八ヶ岳というふうに分けられます。
夏沢鉱泉や本沢温泉、黒百合ヒュッテや高見石小屋、蓼科がある北八ヶ岳方面にもいつか行ってみたいなー。

硫黄岳山荘と駒草神社方面

同じく硫黄岳山頂より、硫黄岳山荘と駒草神社方面。
山頂からは歩いて20分ぐらいだそうです。
駒草神社というぐらいだから、コマクサのお花畑があるんでしょうね。

赤岳へ縦走する人たち

おそらく赤岳方面に縦走される人たちの列。
いってらっしゃい。

硫黄岳山頂の概念図

硫黄岳概念図。記念撮影はこちらで。
2,760mも登ってきたんだなあ。

このあと爆裂火口の端っこの方まで歩いていったところ、途中で煙がモクっと出ている箇所があったので、ビビって引き返してきました。
「この山、生きてる。現役だ!」と思いました。


鉱泉とステーキがある贅沢な山小屋「赤岳鉱泉」

そんなこんなで16時ぐらいには赤岳鉱泉に戻ってこれたので、冬場は閉鎖中で入れなかった鉱泉にも余裕でゆっくり入浴できました。

この「赤岳鉱泉」はおそらく湧出温度が25度未満で、成分も温泉には満たないから「鉱泉」なのだと思うのですが、匂いをかぐとほのかに硫黄というか微硫化水素臭はするので、微量ながらも天然の鉱物は入っていそう。
その成分のおかげなのか、この日の疲労はすべて吹っ飛んだような気がしました。
あと浴槽も桧っぽくていい香りがしたので、ヒノキチオール効果もあるかもです。

それと入る前に隣の男湯から「あっちい!あっちい!」と声が聞こえてきたので、お湯の熱さにビビりましたが、まったくもって普通の熱さでした。
受付にいた小屋主の方も「熱かったらうめてくださいね!」と外から声がけしていましたが、このとき浴室にいたYさんいわく、
「一緒にいた年配のおじさんも若者も俺も、本当に熱かったんじゃなくて、お風呂に入れるうれしさで“熱い熱い”ってはしゃいじゃってただけなんだよね(笑)」とのこと。
「熱い!」というより「うっひょー!」に近い、喜びによる雄叫びだったようで、赤岳鉱泉には男子を中学生ぐらいのメンタルに戻す魔力が隠されているようです。


赤岳鉱泉名物のステーキとポトフ


そして夜は赤岳鉱泉名物のステーキ!!
脂が乗っててジューシーで最高!

サラダも生野菜も相変わらず美味。
そして具だくさんな汁物はポトフです。
大きめの野菜全てに味がしっかり染みていて、うまい、うまい、うますぎる!
ソーセージも何種類か入っていて贅沢の極み!

ごはんは当たり前だけど炊きたて!ごはんとポトフはなんとおかわりもできます!
もう「!」つけすぎだけど、そりゃつけたくなりますよ!
だって美味しすぎるんだもの。くだものも。

ブレスサーモ布団

前回気が付かなかった布団にも注目。
フカフカのブレスサーモです!

んがしかし、山小屋の布団は干せる日や時間が非常に限られているので、厚いとホコリが内部にたまりやすく、ハウスダスト持ちにはつらいものがあるのです。
通常布団は厚い方が絶対いいのですが、ハウスダスト持ち的には薄い方が実は助かったりします。
雲取山荘では薄い布団を何枚か重ねて使う方式だったので、寝入りがけっこう楽でした。
山小屋のお布団、厚い方がいいか、薄い方がいいか。これは鼻が爆裂しがちな人にとって非常に悩ましい問題ですねえ。。


赤岳鉱泉タイポ

タイポも味わい深い赤岳鉱泉。

行者小屋タイポはわりとノーマル

一方姉妹関係にある行者小屋のタイポはわりとノーマルでした。

■1日目のルート

やまのこ村~堰堤広場(柳川北沢)~赤岳鉱泉~赤岩の頭~硫黄岳~赤岳鉱泉泊

■所要時間・距離(山と高原地図アプリより)
6時間53分/7.7km
※赤岳鉱泉、硫黄岳山頂等での休憩含む

■標高差
1,720m(やまのこ村)→2,760m(硫黄岳)

■歩数・階数(iPhoneアプリより)
27,174歩/160階


赤岳登山・ダイアモックス編」に続きます!

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