2016年6月4日土曜日

「ぼちぼちいこか」と「雲ノ平ナビ」で春山遭難多発問題を振り返る

「定本 黒部の山賊 アルプスの怪」より


「人はなぜ雪山に魅せられるのか」

その答えを探すために、過去の雪山遭難ドキュメント「そして5人は帰らなかった」(吾妻連峰雪山遭難事故)を見漁ったり、阿弥陀岳(PDF)やトムラウシ山の事故報告手記(PDF91ページ!)や青空文庫で松濤明の「風雪のビバーク」を読み漁ったりする日々。



そんな中、あの「黒部の山賊」でおなじみ、日本最後の秘境・雲ノ平のナビサイトにて、穂高岳山荘の宮田八郎さんのブログ「ぼちぼちいこか」で展開されていた春山遭難事故に関する記事(それはあかんやろ?)について、雲ノ平ナビの方が補足したコメントを拝読しました。
プロの意見をこうして手軽に読めるのはうれしい限りです。



こちらのコメントでとくに心に響いたのは、

"一見無謀でなんの役にも立たない行為を許容する社会であって欲しい。だれかが言っていたが「危ないからやめよ」「役に立たないことをするな」という社会は、息苦しい。

そして「鍛錬されたものよ、来れ」である。"

という〆の部分。

残雪期の穂高連峰(3,000m級)にスニーカーやトレランシューズで臨んだり、ピッケルも持たずに「ストックでいけますか?」などと聞いてくる無謀登山者は言語道断ではあるけれど、「勇猛果敢なアタック精神」の芽までも摘もうとする同調圧力のようなものに関しては、悲しいというか、つまらない世の中だなあとつくづく感じます。
極端な話、昔々に「あの山のてっぺんに祠を作るべ!」みたいな無謀なことを言い出す人がいなければ、すべての山はきっと今でも閉ざさたままですし、登山なんてものは世の中に存在しないわけです。

それで結局のところ、そんな世の中の“息苦しさ”から開放されるために、敢えて私たちは雪山に行くのかな、とも思ったり。
雪山の魅力って一体何なんでしょうね。
遭難して死ぬまでわかんなかったりして!
アハハハ……ハハ……ハ……(力尽きて終わり)

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