「定本 黒部の山賊 アルプスの怪」より
「人はなぜ雪山に魅せられるのか」
その答えを探すために、過去の雪山遭難ドキュメント「そして5人は帰らなかった」(吾妻連峰雪山遭難事故)を見漁ったり、阿弥陀岳(PDF)やトムラウシ山の事故報告手記(PDF91ページ!)や青空文庫で松濤明の「風雪のビバーク」を読み漁ったりする日々。
そんな中、あの「黒部の山賊」でおなじみ、日本最後の秘境・雲ノ平のナビサイトにて、穂高岳山荘の宮田八郎さんのブログ「ぼちぼちいこか」で展開されていた春山遭難事故に関する記事(それはあかんやろ?)について、雲ノ平ナビの方が補足したコメントを拝読しました。
プロの意見をこうして手軽に読めるのはうれしい限りです。
こちらのコメントでとくに心に響いたのは、
"一見無謀でなんの役にも立たない行為を許容する社会であって欲しい。だれかが言っていたが「危ないからやめよ」「役に立たないことをするな」という社会は、息苦しい。
そして「鍛錬されたものよ、来れ」である。"
という〆の部分。
残雪期の穂高連峰(3,000m級)にスニーカーやトレランシューズで臨んだり、ピッケルも持たずに「ストックでいけますか?」などと聞いてくる無謀登山者は言語道断ではあるけれど、「勇猛果敢なアタック精神」の芽までも摘もうとする同調圧力のようなものに関しては、悲しいというか、つまらない世の中だなあとつくづく感じます。
極端な話、昔々に「あの山のてっぺんに祠を作るべ!」みたいな無謀なことを言い出す人がいなければ、すべての山はきっと今でも閉ざさたままですし、登山なんてものは世の中に存在しないわけです。
それで結局のところ、そんな世の中の“息苦しさ”から開放されるために、敢えて私たちは雪山に行くのかな、とも思ったり。
雪山の魅力って一体何なんでしょうね。
遭難して死ぬまでわかんなかったりして!
アハハハ……ハハ……ハ……(力尽きて終わり)
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■記事寄稿
- ゴールデンウィークになぜ多発?「雪山遭難事故」は未然に防げる!(マネーゴーランド)
■雪山遭難手記リンク集
- そして5人は帰らなかった ① 吾妻連峰・雪山遭難を辿る(YouTube)
気象遭難。リーダーは山岳ガイド資格所有者で、遭難への心構えもあった模様 - 学習院大学山岳部、阿弥陀岳遭難事故の概要(PDF)
疲労・道迷い遭難ではなく、何らかの要因による突発的な滑落事故との推測 - トムラウシ山遭難事故 調査報告書(PDF)
北海道大雪山系トムラウシ山で起きた気象遭難 - 松濤明「槍ガ岳・北鎌尾根」(風雪のビバーク)
槍ヶ岳北鎌尾根(北アルプス屈指のバリエーションルート)で死の直前まで書かれた壮絶な登山遭難手記。表記がカタカナに変化するあたりから震えが止まりませんでした - ぼちぼちいこか - それはあかんやろ?(穂高岳山荘 宮田八郎さんのブログ)
山荘スタッフとして、お気楽雪山登山者に対するやりきれなさを綴った記事ですが、主に登山経験のない人の間で炎上。部外者ながら、さらにやりきれなさが募りました - 雪の中に穴を掘って一晩過ごしてみた - デイリーポータルZ:@nifty
こちらの記事で「風雪のビバーク」(風雪のビヴァーク)を知りました。いつかはやりたい、雪洞実習
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