中之条と書いて「なかのじょう」と読む。
中之条とは、群馬北西部の山あいを走り抜けるローカル線で、大雨が降ると運転規制がかかって運休してしまう、でおなじみのJR吾妻線沿いにある、ちょっと開けた街だ。
町内にはジブリ映画「千と千尋の神隠し」の舞台となった油屋のモデルの一つとされる「積善館」を有する四万温泉(しまおんせん)や、吾妻線上の少し先には八ッ場ダム建設問題で今も揺れる、吾妻渓谷や川原湯温泉郷、2015年にラムサール条約に登録された芳ヶ平などがある。
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歴史好きの間では、中之条は「信州真田氏ゆかりの街」というイメージがあると聞く。
街を歩くと、確かにさまざまな場所で真田氏の家紋である六文銭のマークに行き会う。
ほかにも真田昌幸が城代だった岩櫃城の跡地などが中之条からもほど近い東吾妻町にある。
また最近では映画「眠る男」「月とキャベツ」などが撮影された伊参スタジオや、中之条ビエンナーレなどの山村型文化活動の拠点としても群馬県内外にその存在を知らしめている。
今回はそんな中之条の文化イベントのひとつである「中之条ビエンナーレ」へと足を運んだ。
中之条ビエンナーレ2013 NAKANOJO BIENNALE 2013
中之条ビエンナーレが開催されるのは隔年ごとで今回は第4回とのこと。
展示会場の一つでもあるかわいらしいカフェ「つむじ(Tsumuji)」や足湯には何度か入ったことがあったので「中之条ビエンナーレ」というイベントは前々から気になっていた。
今回は高校時代の友人とみこが久々の里帰りを果たすということで、誘い合わせて吾妻線内で待ち合わせることにした。
中之条駅前にある通運ビル
このビルがビエンナーレのスタート地点だ。
通運ビルは展示会場でもあり、パンフレット兼チケット販売所であり、中之条ビエンナーレオリジナルグッズや参加作家のグッズを売っているショップでもある。
通運ビル二階からの山の風景。
何の山だろうなと気になり、家に帰ってから調べたら、小野子山と十二ヶ岳のようだった。
いつか絶対に登りたいと思っている山だ。
登山と温泉-子持山・小野子山・雨乞山・十二ヶ岳と小野上温泉編
通運ビル二階展示場。
このビル、中之条ビエンナーレの公式サイトによると「展示会場としてのお役目はこれが最後かもしれません」とあった。
今回でこの風景は見納めかもしれない。
通運ビル前にて。中之条町の下水道マンホール。
町の花と鳥の絵だろうか。
第二の会場、旧コンビニ(セブンイレブン?)に到着。
旧コンビニにて、パンチ(カーペット)を好きな言葉や絵に切り抜き、部屋の好きな場所にペタペタ貼るワークショップに参加する。
参加型のイベントは苦手なので、いつもなら素通りするのだが、この日同行した友人は消しゴムはんこの作家さんだったので、なんとなく参加する流れになってしまった。
そういうわけで適当にチョキチョキしはじめる。
友人の「中之条」と「天狗」(沼田は遠い)と「だるま」。
さすが消しゴムはんこ作家、適当にやっても様になっている。
だがガムテの扱いが、雑。
集中力が最後まで続かなかったようである。
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鳥のマークがオバケになっている我が作品「ついったー」。
ハートは元から貼ってあったもので、勝手にコラボ。
タイトルは「だるまの休日」
第三の会場への道中。シビアなバス時刻表を発見。
かねんて倉庫にて。東城 信之介氏の作品。
トタンで囲まれた不思議な空間。
見た目はやけに広く感じるが、実際に入ってみると意外に狭い。
※以降ビエンナーレの作品の写真をいくつか掲載しますが、著作権等の苦情などがあればすみやかに訂正、削除しますので、コメント欄等にご意見をお願いいたします。
小学校の跡地で今は民俗博物館「ミュゼ」。クラシカルな建物が興味をそそる。
浅間山大噴火と中之条展を開催中。
入場料200円かつ時間的余裕もないので先を急ぐ。
ギャラリーであり案内所でもありショップでもありカフェでもあり足湯もある「つむじ」到着。
つむじカフェにて。コースターにつむじ君発見。
茄子味噌丼を食べてくつろいだあと、ホールへ。
ホールでは「こんにゃく会議」が開催中だった。
こんにゃく会議に参加してみたかったが、方法がよくわからなかった。
脇では麻を紐にするためのワークショップが開かれていて、なかなか興味深かったが、根気と体力が要りそうだったので素通りした。
つむじ内の足湯。写真はまったく別の日のもの。
ここで友人がズボンをまくりもせずズボっと足を浸けてしまう失敗を犯す。
うっかり全身入浴する勢いで、ボケていたそうだ。
湯船には四万温泉の源泉が引かれていた。
1分もしないうちに全身がぽかぽかするような、よい足湯だった。
中之条つむじ-四万温泉の源泉がそそがれる足湯あり
つむじ前にて。「拝啓、ジョン・レノン」という作品。
「排水には気をつけてください」との注意書き。
細部に至るまで芸が細かい。
ほかにもいろいろな場所に注意書きがしてあったので、ぜひ実際に行って自分の目で確かめてほしい、そんな作品だ。
ところで、最近の「サマーヌード」リバイバルといい、真心ブラザーズムーブメントがジワジワきているような風潮を感じる昨今ですが、皆様はいかがお感じでしょうか。
り、く、し、る♪
旧廣盛酒造(ひろざかりしゅぞう)2階の展示場にて。
まるでレースのようなオール葉脈のカーテンは小野さやか氏の作品。
感嘆の声が方々から上がっていたのが印象的だった。私も上げた。
酒造時代の名残だろうか、作品の一部だろうか。謎の黒板に興味をそそられた。
旧廣盛酒造の倉の前にて。昔の消火ポンプだろうか。
お釜がでかい!巨大!さすが酒造。
「橋」。薄暗く静かな倉にやけにはまった美しい作品だった。
鳥追い祭の道具類が飾ってある場所。
倉の裏庭のような場所。
松葉邦彦+福島慶介、TYRANT KUNIHIKO MATSUBA+N合同会社による”旧廣盛酒造所再生計画
近藤公園にて。
大人計画の俳優さんとは無関係。
プロ野球!
ビエンナーレ2013のパンフレットとスタンプラリー欄もついたチケット。
一番印象に残っている彫刻家・古川葉子氏のリーフレットも持ち帰ってきた。
今回周ったのは中之条駅前の伊勢町エリアのみだったので、過去に撮った写真とともに「道の駅・霊山たけやま」のある伊参(いさま)エリアをざっくり紹介していきたいと思う。
一度は登ってみたい嵩山。
嵩山の麓にある、古民家をリノベしたような蕎麦屋。
伊参エリアの看板。おしゃれ。
「中之条ビエンナーレ2013」の開催期間は10月14日(木曜休み)まで。
伊勢町のほか、嵩山がある伊参、四万温泉、沢渡温泉(さわたり)暮坂(くれさか)、六合(くに)など6つのエリアに展示場が分かれている。
あと数日しか残されていないが、時間が合えばもう一度訪れてみたいと思っている。
中之条タイポさんぽ
中之条ビエンナーレを巡る際、気になる看板をいくつか発見した。そこで、私の敬愛する藤本健太郎氏の「タイポさんぽ: 路上の文字観察」を見習って、味わいのある看板をハントする「タイポさんぽ」をしてみた。
タイポさんぽ的にも中之条はなかなか魅力的な町だった。
いきなり一切タイポがなくて恐縮です!
こちらは中華料理屋前にて。
麺類のメニューと、左下は麻婆豆腐丼だろうか。右下は何かの定食のようだ。
フィットネス喫茶 凛。
「水曜定休」以外は謎に包まれている。
JAあがつま前。
何故かジャニーさん風。
スナックにて。毎月七日は懐メロの日です。
五輪マークもついているパン屋の「オリンピック」。7年後の東京オリンピックが待ち遠しい。
よいじゃあねえ。
群馬県民的にも難解な方言の一つという自負がある言葉だ。
「容易ではない」「大変だ」という意味の上州弁である。
群馬県民的にも難解な方言の一つという自負がある言葉だ。
「容易ではない」「大変だ」という意味の上州弁である。
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